Seakの日記
日々感じたことを書き留めていこうと思っています。

2003年12月10日(水) アイスター

いろいろ書いていたのですが、突然不正終了してすべて消えてしまいました。やる気が失せますね。

言いたかったことは、アイスターの宿泊拒否問題についてです。ハンセン氏病元患者の方々が、60人ほどで旅行へ行こうとしたところ、ホテル側に宿泊拒否されたという問題が起きたのです。

で、僕の意見の結論としては、宿泊拒否は正しい判断だったのではないか、ということを言いたかったのです。この病気を理由に宿泊拒否をすることは、科学的にも道義的にも大いに問題があるでしょう。しかし、ホテルはくつろぎの場所です。そのような場所にこういう話題になった病気の関係者が大勢でやってくれば、建前がどうであれ、本音では不愉快であることはほぼ間違いないでしょう。少なくとも僕だったら不愉快に思うでしょう。この病気の関係者に限ったことではありません。僕は、お世辞にもきれいな格好をしているとは言いがたいものがあります。髪は目にかかっても面倒だからと言って放っているし、ファッションにも気を遣ったことがありません。しかし、おしゃれに興味がないだけで、それ以外は特に問題のない普通の大学生でしょう。しかし、そんな大学生ばかり60人もやってきたら、他の人は不愉快に思うに違いありません。病気そのものが問題というわけではないのです。そのイメージ、印象が問題なのです。そして、そのような悪印象を避けようとするホテル側の判断は、正しいものであったと思います。人権侵害であることは疑いようがありません。科学的、道義的に言って間違っていることも、おそらく否定できないでしょう。だからこそ、このホテル側の判断は価値があると思うのです。建前だけで議論する人間には強く批判されることであっても、それを恐れずに言っていくこと。なかなかできることではありません。

人権侵害は確かに問題かも知れません。しかし、世の中に人権侵害はあふれかえっています。会社員で人権をまったく侵害されていない人がいるとは思えません。サービス残業という言葉が大手を振って世の中に蔓延していることだけを考えても、法律が定める理想が現実と乖離していることは疑いようのないことなのです。だからと言って、人権侵害を認めるべきではないのかも知れません。ただ、この問題に限ってここまで大きく取り上げる必要性はなかったのではないでしょうか。

問題なのは、宿泊を拒否したホテル側でも、まともに情報を伝えなかった県側でもありません。世の中にあふれかえっている人権侵害の、たった1つの事例であるこの事件を、これほどまでに大きくとりあげるマスメディアが最大の問題なのです。これは、科学的、論理的、法学的、倫理的に間違っていても、それがまかり通ってしまう世の中の現実を物語る、たった1つの事例に過ぎないのですから。

ちなみに、科学的な考え方や論理的な考え方がすべてであるとは思いません。だからこそ、僕はホテル側の方が正しいと感じるのです。では、科学的な考え方や論理的な考え方でないものとは何かと言えば、それは人間の感情的なものです。人間はどれほど非論理的であろうとも、感情を捨てることはできません。押し隠したりがまんしたりすることは頻繁にありますが。人間は感情を持つから人間なのです。感情がどれほど非論理的であろうとも、それが人間なのだから仕方ありません。そして、その感情が否定するのであれば、ホテル側はそれを最大限に尊重すべきです。感情は価値観の源泉であり、ホテルが提供すべき満足もまた、この価値観、感情を源にしています。日頃は世の論理に屈していても、休むときくらいは自分の感情の赴くままに過ごしたいと願うのは当然です。ホテルにいるときくらい、非科学的でわがままに過ごしたいのです。その感情が否定する人間など、まわりにいて欲しくないのも自然な感情です。このホテルは、いつしか真正面から議論されることのなくなった、人間の素直な感情を尊重しているのだと、僕は感じています。


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