2003.03.28 (Fri) 17:32:54
あと8日。まだ先はかなり長い…。
今度は、イラク戦争についての考えを少し…。そもそもこの名称に問題があるという意見から、戦争の是非についての考え、報道の姿勢など、いろいろな意見がある。その中で、気になった意見を挙げていこうと思う。
印象の強かったのは、テレビ番組で、「軍事評論家」と名乗る人々がなぜあんなに楽しそうなのか、という意見だ。確かに、報道は事実を伝えるのが役割であって、感情的な態度がどうであっても、真実を伝えるのに差し障りがなければ、問題はないかもしれない。だが、戦争についてあれほどまでに生き生きと話すのが、果たして望ましいことなのだろうか。まるで、戦争そのものが楽しいことであるかのようだ。軍事評論家の人たちは、仕事だし、本来の仕事の理想から言えば、好きでやっているはずだ。つまりこの場合、戦争や、戦争に関する問題を評論するのが好きだということになる。あまり好ましいとは思えないが、おそらく、彼らのような人々も必要なのだろう。それは仕方がない。しかし、それをテレビという公のものを使って、広く日本中に知らしめるのは問題だと思う。多くの人が苦しみ、死んでしまう戦争は、どのような事情があれ、絶対に許してはならないことのはずだ。許されざる行為は、楽しそうに解説するのではなく、厳しく糾弾されなければならない。例え分かり切っていたとしても、多くの人が死んでいく実態を、何度でも伝えなければならない。新型兵器の性能など、ほとんどの場合、どうでもいいことだ。例外的に重要なのは、それでどれだけの人の命が失われるかということだ。正直、僕だって分かってはいないが、爆弾が当たったら、想像を絶する苦しみであるはずだ。理屈を振りかざすのなら、自分で爆弾を浴びてからにすればいいのだ。
とは言え、戦争以前のアメリカの行動については、必ずしも評価できないわけではないと思う。フセイン大統領のような独裁者に対して強硬な姿勢で臨むことは、ある程度仕方のないことなのかもしれない。特にアメリカの場合、良い意味でも悪い意味でも、自分たちが世界の王者だという意識が根強い。従って、国民の総意として、世界の問題はアメリカが解決するのだ、という意識があっても、仕方のないことだろう。このような考えを持っていること自体が問題なのかもしれないが。実際、アメリカの圧力によって、ある程度イラクが動いたということは否定できないはずだ。
だが、それでも、実際に武力を行使してしまったことは、やりすぎだと思う。あそこまで脅してしまったらもう、退くに退けないということかもしれないが、そこをあえて退いてこそ、世界の超大国と言えるのではないだろうか。早く終わればよいという意見もあるが、時間がかかろうがなんであろうが、戦争であることに違いはない。やはり、許されざる行為と言うべきではないだろうか。
戦争開始前と比べて、どうも戦争を容認するような動きがあるのは気になる。戦争が起こってしまったから仕方ない、では示しがつかない。次に同じようなことになったときに、例え反対されても、とにかく戦争を起こしてしまえば勝ちだ、という発想になりかねない。かなり安易な発想だが、そのような要因はあると思う。
それから気になったのは、名称に問題があるという意見。イラク戦争というのは、イラクで戦争をしているということばかりが重要視されて、イギリス、アメリカが攻撃しているのだという点が見えにくいと言うのだ。…どうでもいいと言ってしまえばそれまでだが、何となく気になる意見ではあった。それにしても、この戦争に関しては、インターネット上にはそれこそ無数に意見が提示されていることだろう。大規模情報サイトの過去ログなどを見ていると思うのだが、今の人間は、このインターネットを飛び交う膨大な情報を、果たして把握しきれるのだろうか。過去ログを参照しろと言う人だって、おそらく、過去ログの内容なんて把握していないのではないだろうか。僕一人ですら、去年の2月からこれだけの文章を書いているのだ。100人、1000人の手で書かれた文章の集まりなんて、読み切れる人間はいるはずもないのではないだろうか。
2003.03.28 (Fri) 19:01:46