■ 忘れかけていた思い |
2006年06月28日(水) |
スーパーへ行く道すがら、小学校の低学年くらいの男の子のグループが、白いヘルメットをかぶって自転車で走っている姿をよく目にする。するとなぜか、ふいに長いこと忘れかけていた思いがゆっくりとよみがえってくる。
海渡が赤ちゃんの頃は、紙オムツのテレビコマーシャルを見るのが辛かったし、もう少し大きくなるとドラマに出てくる子役の子どもを見るのが苦しかった。
海渡がダウン症じゃなかったら、健常児だったら・・・ 海渡が小さかった頃はよくそんなことを考えていた。考えてもどうしようもないことなのに、普通の子としての海渡を想像している自分がいた・・・。
それでも、何年も時を重ねているうちに、気がつくとダウン症を持った海渡が海渡そのものであり、それどころかダウン症であるということすら忘れているようになった。そして今はありのままの海渡を見つめて暮らしている。
もう、紙おむつのコマーシャルを見ても、テレビドラマで子役を見ても、役所で心無い対応をされても辛くも苦しくもない。
けれど、あの自転車の男の子たちを見かけるたびに感じる、胸の奥のツンとする思いは何なんだろう・・・・忘れたと思っていた思いがまだどこかにほんの少しだけ残っているのだろうか。
この気持ちは、一生消えずに永遠に心の中で眠り続けるのだろうか。
それでも、私は構わないと思う。 その思いを再び簡単に心の中に閉じ込めてしまえるくらいに、今の海渡が大好きだし、ありのままの海渡が本当の海渡だとわかっているから。
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