++ 記憶の中へ
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■ きょうだい 2006年02月20日(月)
 昨年末、工業高校3年の長男の就職が内定しました。今は自動車学校にせっせと通っています。18歳にならないと仮免を受けられないので、2月生まれの長男は誕生日を待って18歳と6日目で仮免合格しました。あとは入社日の3月22日までに免許証をゲットするのみ!

 そして、今日、中学3年の長女が第一志望の公立高校に推薦合格しました。
 やれやれ〜・・・・・ほんのちょっぴり肩の荷が降りた感じ。

 うちの長男、長女は海渡がダウン症という障がい児であることをもちろん知っていますが、だからといって、福祉の道を行こうとかボランティアをしようとかはこれっぽちも考えていません。

 これが良いことなのか、悪いこととは言わないまでもそれに近いことなのかは、正直言ってわかりません。

 年が離れていたせいもあって、海渡絡みの外出(病院とか療育とかおもちゃ図書館とか)には一度も上の子を連れて行ったことがありませんでした。
 でも、長女の友達は小さい頃からうちに遊びに来ては「海ちゃん、海ちゃん」と可愛がってくれたし、今では長女の友達のきょうだいたちが海渡のことを小学校などで面倒みてくれています。

 長女は女の子ということもあって、本当にまめに海渡の面倒をみてくれたし、今でも「可愛い」と言って抱きしめたり、海渡に嫌がられながらもほっぺにチュッしたりしています。長男はさすがにベタベタ可愛がるということはしないのですが、全然知らん顔しているようで、さりげなく様子を見てくれたりしていました。ヘルパーさんを利用していない頃は、私が急用で行けないときは高校生の長男が小学校まで海渡を迎えに行ってくれたこともありました。(不審者に間違われないか心配でしたが)

 長男のときも長女のときも中学の授業参観には海渡をよく連れて行ったし、それを二人とも嫌がったりしなかったし、海渡のことを友達や他人に隠そうと思わなかった二人に本当に感謝しています。

 高校生になった長男はバイトもあり、忙しさも手伝ってちょっと気難しいところがあり、なかなか海渡と触れ合う時間がなかったりしたのですが、この間、こんなことがありました。

 夕食前、海渡が何を思ったのか、私と長女と順番にギュと抱きしめててほっぺにチュッとキスしてくれたのです。そのとき長女が「次はおにいちゃんにだよ」と言いました。こういうことはあまりしない長男なのでどうするのかなと見ていると、身長185センチのでかい兄ちゃんはニコニコしながら海渡の様子を見ていました。

 ところが、海渡の方がどういうわけか照れてしまって、お兄ちゃんのそばには行くもののギュっとできずにいます。私と長女には何の照れもなくできるのに、どうして兄には照れてしまうのか不思議ですが、どうしてもモジモジして出来ません。そこで長女が

 「じゃあ、お兄ちゃんのほうからすればいいんじゃん」

と言いました。

 「えー、嫌だよ」

と言うかと思ったら、意外や意外!

 「そうじゃん!」

と言って、長男が海渡をギュっと抱きしめました。さすがにほっぺにチューはしなかったんですけど、海渡は嫌がることもなくニコニコしています。長男の優しさに驚くとともに胸がジーンと熱くなりました。

 実はこの長男、就職と同時に家を出て一人暮らしの祖母のマンションに下宿というか同居することになっています。こんな風に兄弟でじゃれあっている姿は、もうなかなか見れないかもしれないと思うと、ちょっと寂しくもあったのです。

 まあ、近所ですので、夕食食べに来たり、遊びに来たりはできますが、きょうだいが離れて暮らすことに母親としては勝手に寂しい思いをしていたのですが、この様子を見てきょうだいの絆はいつまでもあるんだよねぇと安心しました。





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