++ 記憶の中へ
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■ 触れるということ 2006年02月13日(月)
 先日、海渡の小学校で「心の健康な子どもを育てるには」という子育て講座が開かれました。講師は虐待や放任などで、情緒障害になった子どもたちを預かる入所施設の園長先生。

 参加されたのは、来年度この小学校に就学する子どもさんを持つお母さんと在学中の子どもさんを持つお母さん方でした。当然のことながら、私よりもうんと若いお母さんが多く、きっと今度就学するお子さんがはじめての子どもさんというお母さんも多かっただろうと思います。

 私は、海渡の上に今春社会人になる18歳と今春高校生になる15歳の子どもがいますので、子育てに関しては多少経験があるわけですが、それでもやっぱりこの日伺った話は胸にズキンとくるものが多く、上の子どもたちのとき、こういう話がきけていたらなぁとつくづく思いました。

 この日のお話を要約すると、

 子育てとは、深く関わりながら母子が互いに離れていくこと、心は「愛情」によって結びつきながら子どもの自立(社会化)を促していくこと。
 そして、「愛情」を伝えるには「抱きしめること」「触れること」が大切であるということ。

 海渡に関して言えば、毎日抱きしめ、抱きしめられています。そして、毎日「だいすきだよ」と伝えあっています・・・と言うか、海渡に聞かれるので「だいすきだよ」とこたえてあげています。

 でも、上の子たちのときはどうだったかなと思い返すと・・・
 もう一度、18年前に戻ってやり直したい気持ちになるのです。

 このお話を聞いてずっと昔に知った詩を思い出しましたので掲載しておきます。



「わたしにふれてください」  Phyllis K.Davis

もしわたしがあなたの赤ちゃんなら
どうぞ、わたしにふれてください。
今までわたしが、知らなかったやさしさを
あなたからもらいたい。
おふろにいれてください、おむつをかえてください
おっぱいをください
ぎゅっとだきしめてください、ほほにキスしてください
わたしのからだをあたためてくれる快楽が
わたしに安心と愛をつたえてくれるのです

もしわたしがあなたのこどもなら
どうぞ、わたしにふれてください
いやがるかもしれないし、拒否するかもしれないけれど
何度もそうしてください
わたしがどうしていやがるかをわかってほしいから
おやすみなさい、と抱きしめるあなたの腕が
わたしの夜を甘くしてくれる
昼間にみせてくれるあなたのやさしさが
あなたの感じる真実を伝えてくれる

もしわたしがあなたの思春期のこどもなら
どうぞ、わたしにふれてください
もう大きくなったのだからなんていわないでください
あなたがわたしにふれるのをためらうなんて思いたくない
あなたのやさしい腕が必要です
あなたのおだやかな声をききたいのです
人生は困難なのかもしれないとわかったいま
わたしの中の小さな子どもがあなたを必要とするのです

もしわたしがあなたの友達なら
どうぞ、わたしにふれてください
あなたがだきしめてくれると
わたしはあなたにとって大切な人だとわかるから
あなたのやさしさが
おちこんでいるわたしも、かけがえのない存在であることを
思い出させてくれるから
そしてひとりではない、と思い出させてくれるから
わたしにやすらぎをくれるあなたのありよう
それだけがわたしが信じられるもの

もしわたしがあなたのセックスの相手なら
どうぞ、わたしにふれてください
あなたは、情熱さえあれば、十分と思うかもしれない
でも、あなたの腕だけが、わたしの恐れをとかしてくれる
あなたのやさしくおだやかな指先をください
あなたにふれられて
わたしは愛されているということを思い出すことだできる
わたしはわたしなのだ、ということを思い出すことができる

もしわたしがあなたの大きくなった息子なら
どうぞ、わたしにふれてください
わたしには、抱きしめるべきわたしの家族はいるけれど
それでも、傷ついたときには
おかあさんとおとうさんにだきしめてほしい
おとうさん、あなたといるとすべてが違ってみえる
わたしが、大切なわたしであると思い出すことができる

もしわたしがあなたの年老いた父親なら
どうぞ、わたしにふれてください
あなたが小さかったときに
わたしがあなたにふれたと同じように
わたしの手をにぎり、わたしのそばにすわって
わたしを力づけてください
わたしの疲れた体によりそい、あたためてください
わたしは随分しわくちゃになってしまったけれど
あなたのやさしさに力づけられる
そうぞ、何も恐れないで
ただ、わたしにふれてください






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