■ 先は長い・・・・ |
2005年10月24日(月) |
海渡は紐結びができない。 ちょうちょ結びはもちろんのこと、かた結びもできない・・・・というか、やらせたことがないというのが正しいかも。 だいたい、生活の中で紐を結ぶというシチュエーションがない。 運動靴はマジックテープだし、小学校の給食のエプロンは前ボタン、頭はシャワーキャップのような帽子だし、上靴も体育館シューズもそのまま履けるバレーシューズだ。
中学校の給食エプロンも小学校同様に紐結びが不要なタイプだし、上履きなんかつっかけサンダルなので小学校のバレーシューズを履くよりも簡単だ。体育館シューズは・・・
そうだ、体育館シューズは紐靴だった!
と言うことは、中学に入るまでには紐結びができないと、海渡は中学校で体育館シューズをはくたびに人に靴の紐を結んでもらわなければならないということになってしまう。 夫にそのことを言うと、
「そんなもん、紐じゃない靴にしてもらえばいいんじゃないか?」
と言う。実は、ある先輩ママからも同じことを言われた。紐靴じゃなくてもマジックテープやバレーシューズタイプを履けばいいこと・・・と。それを聞いたときは、そうか、そういう考えもアリかなと思ったけれど、できないよりはできたほうがいいんじゃないかとも思う。 大人になってからはどうなんだろう?
実は夫は普段は精神障害者の作業所の指導員をしているのだが、週末は知的障害者のヘルパーとしてアルバイトもしていて、大人のダウン症の人と接する機会がある。大人のダウン症の人たちは紐結びができるのかどうか聞いてみた。
「担当したことのある○○君は、頭のバンダナ結ぶのできなかったなぁ」
ダウン症は指先の筋肉も弱く、不器用な人が多いので紐結ぶはたぶん苦手な人が多いのだと思う。つまり、海渡もこのままでは紐が結べない大人になる可能性もある。
今度は、養護学校に通っているダウン症の子どもを持つ友人に紐が結べるかどうか尋ねてみたところ、なんと彼女の子どもは紐結びができるという。ちなみに手帳の判定で言うと最重度のダウンちゃんである。
「す、すごい!」 「すごいでしょ〜(^^)」
何でも、養護学校では小学部1年から「紐結び」の練習があるんだそうだ。 入学当初はマジックテープの給食エプロンを、ある学年になるとわざわざ紐を縫い付けて、後ろで結ぶ練習をするんだとか。さすが養護学校!
と感心していてもなんなので、まあ時期を見て海渡もチャレンジしてみようかなぁと思いつつ、マジックテープでいいじゃない?という思いもチラっと(苦笑)
まあ無理強いせず、いざとなったらマジックテープもアリだしという気持ちで時期を見て教えてみることにしよう。 普通の子どもならいつの間にかできていることが、障害があるがゆえに根気良く教えないと身に付かないことが、実は他にもたくさんある。
ズボンのホック、名札などの安全ピンの付け外し、ジャンパーなどのファスナーの最初の部分、裏返しになった洋服の戻し方・・・
中学は学生服なので、カッターシャツの細かいボタンや学生服の固いボタンかけ、ズボンのチャックやホックも手早くできるようにならないと。こういうのは、意識して練習させないと本当にできないままになりそう(汗) まだあと3年ある・・・いや、もう3年しかない?
洋服がたためるくらいで満足していてはいけないのだ。先は長い。
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