++ 記憶の中へ
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■ 中学校 2005年10月19日(水)
 長女は中学3年生。最後の学校祭も終わり、ただいま中間試験の真っ最中。
 この間、クラスのみんなで卒業写真をどんなものにするかの話し合いがあったそうだ。

 その話し合いから、男子と女子と制服を取り替えて卒業写真を撮ろうということになったらしい。まったく、どこからそんな発想が出てくるんだろう???? 女子はともかく男子がよく納得したものだ。

 だって、セーラー服ですよ、セーラー服! 

 サイズが近い子男子と女子が交換することになったと言う(そりゃそうだろうねぇ)。
 そのとき、ふと「K君」のことが気になった。

 「K君」は、特殊学級に在籍する子で主要な教科以外は普通学級で過ごしている。娘の話にもよく登場する「K君」。彼がごく当たり前にクラスメイトとして存在し、みんなの中に溶け込んでいるのは毎日の娘の話からもよくわかる。そんな娘の話を他人の子どものことなのに時には嬉しかったり、時にはホッとしたりしながら聞いている。

 制服を交換すると聞いて、ちょっと気になって恐る恐る娘に

 「ねぇ、K君の制服も誰か女の子と交換するの? その子、イヤだとか言わなかった?」

と聞いてみた。

 「なんで? ○○ちゃんと交換するよ」

いともあっさり答えた娘。そうだよね、変なこと聞いてごめん。

 「K君は幸せだよね」

 「はあ?」

娘は「何言ってるの?」と言いたげな顔で自分の部屋へ戻って行った。

 長女のクラスは小さなトラブルはありながらも、男子も女子もみんな仲が良く、まとまっている。不登校気味の子もいるのだが、学校祭にはその子の分の衣装もみんなで作ったり、「K君」の授業中の突拍子も無い「発言」に盛り上がったり、話を聞いていても本当にみんなが助け合い、認め合うという雰囲気がある。

 そんな中で3年間過ごすことができた「K君」、よそ様の子どもさんながら本当に良かったねぇと思う。海渡もそんな中学校生活が送れたら・・・・・

 私はいつも娘の「K君」の話に海渡を重ね合わせている。





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