++ 記憶の中へ
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■ ヘルパーさん 2005年10月14日(金)
 海渡は支援費制度の居宅介護を利用して、たくさんのヘルパーさんのお世話になっている。今までお世話になったヘルパーさんをざっと数えたら10人以上になり、改めていろんな人にかかわってもらって来たんだなぁと実感する。

 海渡の場合、2か所の事業所と契約しており、目的や場所によって使い分けている。片方は社会福祉法人が運営している事業所で、もう片方はNPO法人が運営しており、それぞれに特色がある。

 主に放課後活動を目的として週3日ヘルパーさんに来てもらい、3日のうちの1日は自宅か公園で、あとの2日は地域の児童館で遊んでもらっている。これはすべて親である私が考えたことであり、海渡自身の意志ではない。

 けれどある日、もしかしてこれは海渡の気持ちとしてはどうなんだろう・・・と思うことがあった。

 ヘルパーさんが来る日は、朝、海渡にあらかじめ伝えておく。

「今日は、ヘルパーの○○さんが来てくれるよ」

ところが、どうも海渡の反応が今ひとつ・・・。もともと、朝はエンジンのかかりが遅く、テンションも低めでボーっとしているのだが、それにしてもあまりに反応が無いので、もしかして嬉しくないのか?負担なのか?とあれこれ悩む日が続いていた。

 自宅にヘルパーさんが来ても、それほど大喜びするわけでもなく、かと言って嫌がる風でもない。ヘルパーさんが来ることに慣れてしまっているのかもしれない。
 海渡はけっこうポーカーフェイスのところがあるので、表情だけ見ていると嬉しいんだか嬉しくないんだか理解不能のこともあるので、意外と知らん顔しながら喜んでいるのかもしれない。

 そこで、児童館から一緒に帰ってきたヘルパーさんにそれとなく様子を聞いてみると、もう元気いっぱい児童館の中で遊び、動き回っていて、帰るのを嫌がることもあると言う。
 また、学校でもヘルパーさんが今日来てくれるんだね、という話を先生がするととても嬉しそうに「そうだよ!」と返事をするというお話もあった。

 何だ・・・取り越し苦労だったのね(^^;)

 はじめのうちは、いつもと違うヘルパーさんだと緊張したり、なかなか打ち解けてくれなかったりもあったようだけれど、これだけいろんなヘルパーさんと関わっていると、だんだんと見慣れないヘルパーさんが来ても平気になってきているようで、人が変われば遊び方も違い、それはそれで楽しいのかもしれない。

 親と離れて第三者と過ごすことは自立に向けての一歩の一つ、大人になってから親以外の人と動かなければならなくなったときに、拒絶反応を示したり、嫌がって何もできなくなってしまっては困るという思いから、子どものうちに他人(ヘルパーさん)と関わっていくことに慣れてほしいと思って始めてみた支援費制度、今のところ大正解だったと思う。

 それに、どうしても家に閉じこもりがちになる放課後、ヘルパーさんとなら家のそばの公園だけじゃなく、いろんな場所に遊びに行けるし、他の子どもたちとの関わりも増えて良かったと思っている。

 ただ、障害者自立支援法の成立に伴い、どこまで今までと同じように利用していけるのか、不安も多い。使いづらくなったり、今以上に負担額が増える(しかも今度の法案は障害者本人から1割負担させようとしている=支払う能力がないとサービスは受けれない!)ようなら利用する回数を減らしたり制限することもあり得る。こんなの改正じゃないと思うのは私だけだろうか。

 今はただ、このヘルパーさんたちとの関わりがずっとこの先も続くことを願っている。





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