海渡が私の前でつま先立って両手を下に下ろして
「れ※▲○☆の・・・ふたくん」
と言う。最初は「?」だったが、すぐにそれが
「レッサーパンダの風太くん」
だとわかった(笑) こういうことは、すぐ覚える。
海渡は形態模写というか、ものの特徴を体で表現することが抜群にうまい。炊飯ジャーから湯気が立ち上る様子は、なんと自分が湯気そのものになっていた。両手の平を合わせた両腕を体の前にまっすぐ伸ばして「ヒ〜〜!」と言って斜めに飛び上がるのだ。何度やらせても同じように斜めにとびあがる。
また、ファーストショップの店先で、色とりどりのジュースが入ったミキサーが回る様子も面白かった。スイッチオンで回りながら飛び上がっている(笑) まるで、フィギュアスケートのスピンジャンプのように。
そういえば、昨日、「おかあさんといっしょ」のファミリーコンサートのビデオを見ていたときのこと、海渡はお姉ちゃんの壊れたイーカラのマイクを持って、歌のお兄さんのまねをして歌っていた。何気なく見ていたら、振りつけはもちろんのこと、お兄さんのマイクの持ち方や動かし方、ちょっとした微妙な動きも全部同じだとわかった。歌はもちろん下手なんだけど、そのマイクさばきというか何と言うかそこまで見てたのねぇ〜とびっくり。絶妙と言うか、何と言うか・・・・面白い!
海渡は小さい頃から、言葉で上手に表現できない分、身振り手振りが大きくて、どんなこともまるで外国人のように体全体でおしゃべりする。海渡を見ているとそれが普通なのだが、同年齢の子を見るとやっぱりその違いがよくわかる。私たち大人も喋っているとき、手は全然違うことをしていたりする。言葉だけで自分の言いたいことが伝えられたら手や体を動かす必要なんかないのだ。
海渡が、口と手と体を総動員しても伝わりにくいこともあるので、聞いているこちらは耳と想像力と記憶力(過去の)を総動員して、いま海渡が伝えようとしていることを聞いて、見て、考える。
これって、けっこう頭の老化防止に役立っているかも。
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