++ 記憶の中へ
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■ 海渡失踪事件・・・その後 2005年05月23日(月)
 ショッピングセンターから失踪して、雨の中ひとりで歩いているところを偶然にも海渡の担当のガイドヘルパー※※さんに見つけられ、警察に保護された海渡。

 少なくとも30〜1時間は雨の中を歩いていたせいか、鼻水がひどくなったのと、咳も出てきたし、何より時間になっても熟睡で起きれなくて、結局今日は学校を休ませた。午前中は小児科を受診。午後は久しぶりにべったり・・・急ぎの仕事がなくて良かった。

 朝ごはんのとき、何気な〜く聞いてみた。

「きのう、どうしてお店から出ちゃったの?」

 ポケモンヌードルを食べていた海渡は突然の質問に驚いて、私を見つめたまま固まった。口元に持っていきかけたヌードルが宙に浮いたままだ(笑)
 そして、私の視線を避けるようにちょっと体を斜めに向けて、ヌードルをすすり出した。

 「一人でおうちに帰ろうと思ったの?」

 「・・・・・・」

 「ママに待ってて言ったの忘れたの?」

 「・・・・・・」

 聞かれていることはよくわかっているけれど、答えたくないらしい。言うもんか・・・という意思さえ感じる・・・(苦笑)
 そこで、質問を替えることにした。

 「おまわりさんのところで何か食べた?」

 「おかし たべた」

 「あそこで何してたの?」

 「こうやって(椅子に座りなおして)、あそこ(空中を指差して) テレビ みてた」

 どうやら高い位置にテレビがあって、それを座って見ていたらしい。

 「こわくなかった?」

 「こわくないよ!」

 やけに強気(苦笑)

 「もう、ひとりでおうちに帰ろうとしないでね。どこにいても、一人で出ていかないでね。海ちゃんがいなくなると、パパとママは泣いちゃうよ」

 海渡はじっと聞いていた。昨日、自分のしたことで周りが大騒ぎになったことはよく分かっているようだ。反省しているようにも見える。だって、言われもしないのにさっさとパジャマを着替えたり、言われもしないのにテーブルに出しておいた宿題のプリントをやりだしたりしているんだもの(笑)

 これは、私の想像だけれど、きっと海渡は一人で家に帰ろうと思ったのだと思う。パパを探して1階に下りてみたのはいいけれど、どこへ行けばいいのか分からなくなり近くの出入り口から外へ出てしまって、もうこうなったらうちに帰ろう、というか帰るしかないという気持ちになったんじゃないかなと思う。

 パパを探すと言ったのに探せなくて、一人で帰ろうと思ったのに帰れなくて、それでどうして店を出たのか、一人で歩いていたのか聞かれても答えたくなかったんじゃないかな。本を一人で買って、膨らみかけていた海渡の自信とプライドが一気にしぼんで・・・・それで答えたくなかったのかもしれない。

 そんな風に考えると、海渡は海渡で考えてしたことでこれも海渡の成長の証かなとも思えるんだけどね・・・・親ばかかもしれないけれど。

 



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