■ 神様が見ていた? |
2005年05月22日(日) |
海渡8歳10ヶ月にして初めて警察に保護されました。
家族3人でよく行くショッピングセンターの本屋さん。ポケモンの本を選んだ海渡は、一人でレジへ行くと言うのでお金を渡し、離れたところから見ていました。ちゃんとおつりとポイントカードと本を受け取り、海渡はピカピカの笑顔で私のところに戻ってきました。
その後、ちびっ子コーナーに座って買った本を見ていたのですが、
「海ちゃん、パパさがしてくる ママ まっててね」
と走りだそうとしました。パパは1階にいます。「すぐに戻ってくるよ」と言っても
「海ちゃん、さがしてくる まってて」
とストップサイン。さっき一人で本を買った自信や達成感がまだまだ残っているような笑顔で張り切っています。こんなことを言い出したのは初めてのことでした。せっかくやる気になっているのに、それを止めるのもどうかと思い「はいはい。ママ、ここで待ってるね」と腰を下ろすふりをしました。
そして海渡が行く先を眼で追いかけ、すぐに海渡が走っていった方向に向かいましたが、見失ってしまいました。私は、海渡はパパを探しに行くとは言ったけれど、多分この先にあるゲームソフトのコーナーに行ったと思っていました。1階には一人で下りたことが無かったし、今日はまだ大好きなゲームソフトの売り場には行ってなかったからです。 ところが、必ずいると思ったゲームソフトのコーナーにはいませんでした。同じ並びの、大好きなビデオコーナーにもいない。途中の玩具売り場にもいない。その先さっきの本屋を通りこして、一番はしのゲームコーナーに行ったのかな?とそこへ行っても海渡はいませんでした。
海渡が行きそうなところはわかっているので、1階から上がってきた夫と合流して、事情を話し手分けして探しました。でもなぜだか、どうしても見つかりません。もしかして、海渡は本当にパパのいる一階へ一人で降りていったのだろうか?と急に不安になってきました。そんなこと今までしたことないのに?
「パパをさがしてくると言っていたので、もしかしたら1階かも」
そう言うと夫が1階へ探しに行きましたが、しかし見つからず、いつも止める5階の立体駐車場にもいませんでした。もう一度初めにいた3階の海渡が好きな場所を全部まわり、大好きなラーメンのあるコーナーも探しましたが、いません。
海渡を見失ってから1時間たったところで、自力で探すことをあきらめて1階のお客様センターに行き、迷子のアナウンスをしてもらいました。
すると、5分もしないうちにどこからか連絡が入り、海渡の名前を確認されました。そして
「お子さんは店の外へ出てしまったらしく、今○○警察署で保護されているそうです」
はい?警察?! 店から出ていたということにも驚きましたが、外(多分出入り口のあたり)にいて、何でお客様センターじゃなくて、遠くの○○警察署に保護されてるの? なんで??? とにかく夫と車で警察へ向かいました。
警察署の受付で名前を言うと、その奥のついたての向こうに海渡の頭が見えました。パパが中へ入って行き、私も入ろうとしたら書類を書かなくてはならず引き止められました。そのときに、受付に座っているおまわりさんが
「※※さんて、知ってる?」
と言いました。一瞬、何のことか分からなかったのですが、私の知ってる※※さんと言えば、ガイドヘルパーの※※※さんしかいません。
「ヘルパーの・・・※※さん・・・ですか?」
おまわりさんは頷いて
「その※※さんが、見つけて連れてきてくれたの」
と言いました。※※さんがあのショッピングセンターに買物に来ているのは不思議じゃありません。じゃあ、偶然買物に来て、海渡を店の外で見つけてくれたのか、でもそうしたら普通「お客様センター」じゃない?なんでわざわざ警察なんだろう??私の頭の中は?マークだらけ・・・
何が何だか分からずボーっとしていたら目の前にその※※さんが現れました。開口一番、
「ものすごい偶然なんです」
聞いてみると、店の外は外でも、出口あたりじゃなくてず〜っと遠く、雨のなかひとりで歩いていたそうです。ショッピングセンターを出て、信号を3つ渡り、大きな川にかかる橋を越えてさらにその先です。
たまたま、急用で警察に行くために車を運転していた※※さん、向こうから歩いてくる海渡を見つけてびっくり。すぐに車に乗せて、私の携帯に電話をかけたけれど出ず(この日に限って忘れてきた)、家にも電話したけれど誰も出ない、どうしても時間までに警察に行かないといけなかったので、もしかしたら、警察に私たちから何か連絡が入っているかもしれないと思って連れて行ったということだったのです。
店から出て、そんな離れた場所を雨の中一人で歩いていたということにびっくりしました。方角的には間違いなく家の方ですが、なんで外へ出て行こうと思ったのか・・・・ 車で来たんだし、私にここで待っててと言ってあるのに、どうして外へ出たんだろう?????? 一人で歩いて家へ帰るつもりだったんだろうか。車で30分かかるのに・・・・?
警察の方、連絡を受けて心配してきてくれた友人、そしてヘルパーさんに何度もお礼を言い、海渡にもヘルパーさんに深々と頭を下げさせてお礼を言わせ(素直に頭を下げてお礼を言いました)やっと帰路に着きました。
車の中で「海渡、パパを探しに行ったの?」と聞くと、きっぱりと
「そだよ」と言いました。
「どうして外に出たの?」
「・・・・・・・」
「信号あったでしょう?」
「あお わたったもん」
あああ、冷や汗が・・・・
結局、なぜ外に出てしまったのか、なぜ一人で歩いて行ったのかは答えてくれませんでした。どうして外に出たのか叱りたいところですが、もとはと言えば、1階まで行くはずがないという油断と、きちんと跡を追わなかった私が悪いのです。あぁ、神様、これからは絶対に眼を離しません。
神様といえば、※※さんが海渡を見つけてくれたことに、たくさんの偶然が重なっていました。普通なら絶対にこうならないようなことが今日の※※さんにいくつかあって、その結果、海渡を見つけることになったのです。
それを考えると、どこかで神様が見ていたのかなという気持ちにすらなります。海渡を見つけるために、※※さんをあの場所へ行かせたとしか考えられない偶然。心配してくれた友人にこのことをメールすると
「(海ちゃん)生かされてるって感じがするね」
と返事が来ました。
そういえば、生後1ヶ月のとき、寝返りも打てない海渡が夜中にベビーベッドから落ちて、下にあった布団の上に顔を真下にしてうつぶせになっていたことがあって、それをたまたま眼を覚ました長男(当時小2)が見つけてくれたことがありました。落ちた場所にちょうど布団があったのと、偶然長男が音もしないのになぜか眼が覚めて「ママ、海ちゃん、落ちてる」と見つけてくれたから良かったけれど、あのまま布団にうつぶせになっていたら、筋力の弱いダウン症の海渡は顔を上げることができず窒息していたかもしれません。
私はクリスチャンではないけれど、まさに、海渡は守られて、生かされているということを感じさせてくれるような出来事でした。
それでも、やっぱり親は子どもから眼を離してはいけません・・・・。反省。
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