++ 記憶の中へ
Written by free
Photo by
Designed by caprice*



■ 音楽療法にて 2005年05月02日(月)
 海渡は月1回、音楽療法に通っている。
 ダウン症の子どもばかり6人ほどの集まりだ。

 音楽を通じて、発語を促したり、言葉を覚えたり、先生や友達とのコミュニケーションのとり方を学んだりする。もちろん、体を使った遊びもあるので、リズム感を養ったり、音楽そのものを楽しんだりもできる。ダウン症の子どもたちはたいていの子が音楽大好きだ。

 普段は子どもの後ろにそれぞれのお母さんがついていたけれど、前回、初めて母子分離・・・つまり子どもたちと先生と補助のお母さん一人だけで受けることにして、お母さん方は「退場!」ということになった。

 大丈夫かな?と、母たちはみな半信半疑・・・でも、突然もらえた貴重な時間、積もる話もあるのでみんなでいそいそと喫茶店へ。話すことはもっぱら、子どもたちのこと。小学校のこと、養護学校のこと、支援費のこと、そして将来のこと・・・・話しても話しても、話は尽きないのだ(笑)

 ここで2人のお母さんを新たに支援費を使って活動するグループに勧誘成功。まあ、ただ単にこの事業所がいいよということなんだけど。小さな力も集まれば大きい。お母さんどうし集まって、子どもたちの将来のために支援費を上手に使って行こうと意気投合。

 さて、時間になって音楽療法の部屋に戻ると・・・・・私の姿が見えたとたん、先生の言うことを聞かないで海渡が床に寝そべっている。うわぁ、やっぱりダメだったのかな?と先生に聞いてみると・・・・・

「お母さん方がいないほうが、良いです!」

 どうやら、親がそばにいると甘えたり、恥ずかしがったりで、なかなか自分を出せないけれど、いなくなったらとてものびのび、生き生きしていたということらしい。私から見るとどう見てもモジモジ君の海渡がオリジナルダンスを披露したり、初めて自分の名前も言えたというのだ!そういえば、小学校の授業参観も練習ではできるのに、私が見ていると全然発表できない。先生はいつも「練習ではちゃんとできるんですよ」とおっしゃっていたっけ。

 他の子どもたちも、お母さんたちのプレッシャーから解放されるせいか親がそばについていないほうのびのびしているらしい。そこで、これからはお母さん抜きでいきましょうということになった。

 不安に思っていたのは、親だけだったのね。
 子どもは親が思っている以上に、成長しているということだろうか。



backINDEXnext


My追加