++ 記憶の中へ
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■ 叱られて・・・・ 2004年12月13日(月)
 今日は海渡を叱って泣かしてしまった。

 お風呂からあがって歯磨きも済んで、最近お気に入りの「トムとジェリー」のビデオを見ようねと言うと、大喜びで頷いた海渡。そこまでは良かったのだが、ビデオをセットして、さて寝ながらみようかと振り向くと、なんと私の枕の上に水たまりが・・・・。

「なにこれッ!」

 海渡を見ると知らん顔している。明らかに知っているのに知らん顔。
どう聞いても知らん振りしたり、笑ったりしている。多分、居間で一緒に歯磨きをしたあと、洗面所へゆすぎに行って口に水を溜めたまま戻ってきたのだろう。布団の上までそのまま来て、そこでどういうわけか知らないけれど、わざとなのか思わず口から出てしまったのか、私の枕の上に水たまりができてしまった・・・ということらしい(その水たまりからは歯磨き粉の匂いがした)。

 さすがに腹が立って、いつになく海渡をきつく叱った。

「お母さん、どうやって寝るの?」

 知らん顔の海渡。どう聞いても何を聞いても何も言わない。

「海ちゃんがやったのなら、ちゃんときれいに拭いてきて!」

と言って、海渡の脚の上に枕を放った。海渡は泣きべそモード。でも「ごめんなさいは?」と言っても絶対言わない。

「お母さん、もうその枕いらない。トムとジェリーも今日はもう見ません!」

と言って、布団をかぶって寝た振りをした。海渡がどうするかなと様子をうかがっていると、枕を持って隣の居間に行き、ティッシュでゴシゴシ拭いている音がする。静かになったので居間をのぞくと、枕はなく、背中をこちらに向けて椅子に座って身動きしない海渡がいた。もうしばらくして様子を見ると、ホットカーペットの上にうつぶせになって眠っていた。閉じた眼に涙が浮かんでいた。

 枕を探すと、ベランダに置いてあった。枕カバーが外されていた。多分、ティッシュで拭いて、カバーを外して、ベランダに干したつもりなんだろう。夜なのに・・・・。枕カバーは洗面所の、洗濯物の上に置いてあった。

 汚れた枕を拭いて、カバーを外して洗面所へ持って行き、中身の枕は外へ干すということを自分で考えて実行したことに驚いた。せいぜい拭くぐらいのことはするかなと思ったけれど、そこまでやるとは考えもしなかった・・・。

 枕を干したあと「ごめんなさい」が言えずに泣きながら寝てしまったのだろう。

 涙を溜めたまま眠っている海渡の顔を見ながら、ちょっと可哀相だったかな?と後悔半分、いや叱られて当たり前、という気持ちが半分。帰宅したお父さんは、「可哀相だ」しか言わなかったけれど。

 明日の朝は、いつもの海渡になっているかな・・・・・



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