++ 記憶の中へ
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■ たったひとつのたからもの 余波 2004年11月17日(水)
 今更なんですけど、ドラマ「たったひとつのたからもの」見ました。そして、昨日はドラマよりも興味のあった「特別版」も見ました。ドラマの当日、朝の番組の中で紹介されていたものと「特別版」を紹介していたのも見ました。

 ダウン症とは関係の無い普通のかたがたがあのドラマを見てどう思ったのかなということがまず気になったのですが、いろいろな掲示板やブログで検索してみるとおおむね好感を持たれたというか、感動したという方が多くてダウン症児の母としてはホッとしたりしています。

 で、現実にドラマの余波といいますか、影響みたいなものも多少ありました。ドラマが放映された翌日、公園へ遊びに出た海渡を迎えに行ったときのこと、少し離れた場所にいた知らない上級生が海渡と私の方を見ながら

「あの子、松田聖子のドラマの・・・」

ともう一人の子に言っているのが聞えました。

 また、数日後に小学校の校庭へ遊びに行った海渡を迎えに行ったときも、やっぱり知らない上級生が海渡を見ながら隣の子に

「ダウン症の・・・・」

と言っているのが聞えました。

 正直言って、まわりの大人の方は見る人が多いだろうとは思っていましたが、子どもも一緒に見ているかもしれないということはなぜか考えつきませんでした。親が見ていれば一緒になって見ているかもしれないというのはよく考えたら当たり前なのに、なぜか想像していなかったんですよね。

 陰口というよりも、ただ素直にドラマを見て海渡そっくりの子が出てたという話題を口にしただけのような感じでした。その子たちがあのドラマを見て、どんな風に感じたのかわかりませんが、ろくにしゃべれないちょっと変った2年生の海渡君と「ダウン症」という障碍名が一致したということかもしれません。海ちゃんはダウン症なのか、だからしゃべれなかったり、算数ができなかったりするのかと思ったのかもしれません。すべてのダウン症の子どもが秋雪君と同じではないし、秋雪君を演じた翼君と同じではないけれど、それでも子供達の中で「ダウン症」の認知度は「アップ」したのかも。

 さて、子どもたちよりももっとわかりやすかったのが昨日のとあるおばさま。たまたま、地域の小中学校の特殊学級の子どもと親、先生たちで交流遠足をしているとき、お昼ご飯を食べるために入ったショッピングセンターで食べ物を注文するために並んでいた海渡と担任の先生の前にいた中年のおばさまが海渡を見るなり突然

「あらこの子、この間見た松田聖子のドラマに出てた子にそっくりだわ!」

と大きな声でおっしゃったのです(苦笑)

私は少し離れたところにいたので、その後の成り行きはわかりませんが、先生も困ったでしょうね。8年ダウン症児の母をやっている私なら、笑って

「あの子と同じ、ダウン症なんです」

と言えますが、もっと小さい子のお母さんとかだったらどうなんだろう??
先生も多分、たくさんの人の手前困ったと思われたかもしれません。どういう対応をしたのかは聞きませんでしたが、でもあの先生なら上手に対応したと思います。

 それにしても、こんなにはっきり子どもの目の前で言われるとは予想外でした。もちろん、海渡本人はなんのことか理解していません。この方も素直に思ったままをおっしゃたんでしょうが、失礼と言えば失礼なことかもしれないけれど、考え方によってはやっぱりダウン症の知名度が上がったという点では良い傾向なんでしょうかしらね。

 どちらにしても、以前のダウン症に対する悪いイメージが多かった頃よりも、ダウン症の子どもたちにとって少しは生きやすい世の中になってくれることを祈ってます。

 肝心のドラマですが、小さかった頃の秋雪君役の子供達が海渡の小さかった頃とだぶって涙、翼君の頑張りに涙また涙・・・でした。 



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