ダウン症の子供は見かけより、いろんなことを理解している・・・というのはよく聞く言葉だ。確かに、実際の年齢より小柄な子が多いので、その分まわりから幼いという印象を受けたり、いつもニコニコしているので何にも理解していないとみられがちなのだと思う。
海渡も、聞いていないようでしっかり聞いていて、見ていないようでしっかり見ていて、さらには出来ないようで本当はちゃんと出来る・・・ということがよくある。
先日、バースデーカードを送ってくださった補助の先生へのお礼のハガキになんと海渡が「せんせい」と何も見ずに書いて、びっくり。自分の名前くらいは何とか書ける(簡単には読めないんだけど)が、それ以外で思ったことを文字に書いたことがなかったので、本当に驚いた。さらに、そのハガキを「これどうするか分かる?」と聞いたら「ポスト」と即答した。 また、新しく買い換えたパジャマが前ボタン式で「ボタン やだな」と言ってなかなか自分でボタンかけをしようとしなかったのに、ある日自分で一生懸命ボタンかけをしている。 私がそれに気づくと、体の向きを変えて隠すようにして悪戦苦闘モード。パジャマのボタンはとても小さくて固めなので、海渡の指の力ではかなり難しい。それでも背中を丸めて真剣な背中?で挑戦している。「できた!」と振り返ったパジャマのボタンは、二個しかかけていなくて、しかも掛け違いでずれていた。でも、めちゃくちゃ得意げな笑顔。
さらに、人の話を全然聞いていない、あるいは理解していないようで、自分勝手なおしゃべりばかりしていたと思ったら、ふいに「え?」と首を突っ込んできたりする。海渡は聞いていないふりをしながら、ちゃんと周りの会話を聞いている。 長男とお寿司の話をしていたら、いきなり振り向いて「ボク とろね」と言ってみたり(笑)とろが何か知らないと思うんだけど・・・・
海渡の本当の力って、どれくらいあるんだろう。 「ボク できない」と言いながら、実はけっこういろいろなことができるような気がする。私の思い込みに過ぎないのかもしれないけれど、周りの大人が思う以上の力が本当はあるのだと思う。
ダウン症の子どもは周りの期待にこたえようと無理をして、ストレスやプレッシャーに押しつぶされてしまうというパターンがよくあると聞く。でも、多分海渡は、自分の力を出し惜しみしつつ、甘えるところはしっかりと甘えながらも、意外なところでちょっぴり実力を披露してみんなをびっくりさせながら、あくまでもマイペースで生きているような気がする(笑)
意外と、したたかで賢いのかも・・・・・(笑)
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