給食の準備の時、お当番さんは専用のエプロンを着ます。エプロンというよりは前ボタン式の割烹着。それに丸い総ゴムの帽子をかぶり、マスクをかけます。1週間使ったエプロンは金曜日に持ち帰って洗い、アイロンをかけて、月曜日にまた学校へ持っていきます。
月曜日や金曜日の送り迎えのとき、ランドセルにエプロンの入った袋をぶら下げている1年生を見ると、ああ、あの子1週間給食当番だったのね・・・と気づきます。
海渡は1年生のとき、このエプロンを一度も持ち帰ったことがありませんでした。大きな食缶から一人分ずつ器に盛ったり、お皿におかずを一人ずつ盛り付けたりはとても危なっかしくてまかせられません。だから、エプロンを持ち帰らないということは、お当番のお仕事がまだまだできないということでもありました。
それが、先週の金曜日、エプロンを持ち帰ってきたのです。
「海ちゃん、給食のお当番、できるの?」
私、びっくりして海渡に聞きました。海渡はエプロンに気づき、私からひったくるように奪い取って着始め、帽子をかぶり、前のボタンをはめようとしましたが、これはちょっと固くてとめられませんでした。
「どんなことしてるの?」
と何度も聞きましたが、エプロンを着て嬉しそうににこにこするだけで答えてくれませんでした。
今朝、アイロンをかけたエプロンを袋に入れて、ランドセルにぶら下げました。
「海ちゃん、エプロンつけといたからね。みんなといっしょだね」
と言うと、めちゃくちゃ嬉しそうに笑い、「海ちゃんの」と言って、エプロンにほおずり・・・(よだれがついて汚れるからやめて)
エプロンをぶら下げて歩く海渡は嬉しそうでした。同じクラスの女の子に
「海ちゃんてお給食の当番、何してるの?」
と聞いたら
「牛乳くばり。海ちゃんはいつも牛乳だよ」
と答えてくれました。そか、やっぱり牛乳か(笑) でも、牛乳配りも立派なお給食の当番だもんね。
だんだんと上手になって、違うこともできるようになって、しっかりお当番できるといいね。
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