昨日の夜、凍らせた棒ジュースをかじっていた海渡がしきりに歯を触るので見てみると、下の歯が1本、ぐらぐらになっていた。 多分、かじった拍子にぐらぐらになってしまったんだろう。前に抜けたのは保育園の時なので歯が抜けるという意味を忘れてしまったらしく、あまりに不安そうにしているので
「だいじょうぶ。もうすぐ抜けて、大人の歯が生えてくるよ」
と言うと、元気のなかった顔がとたんにぱっと輝いて、安堵の表情になった。ダウン症児の歯は生える時期や抜け替わる時期も普通よりばらばらで、海渡の乳歯は保育園のときに1本抜けたきり、他の歯はびくともしていない。1本抜けた歯の隣がぐらぐらになりかけていたのに、いつの間にかその隣の歯とくっついてしまったらしく、先日の学校の歯科検診では「癒合歯」としてレントゲンが必要と書かれていた。あとからくっついて癒合してしまうことがあるのかどうか知らないけれど、それっきりほかの歯も抜ける気配がなかったのだ。
ところが、今日迎えに行ったら、まず途中で出会った1年生の子供達が
「海ちゃんのお母さん、海ちゃんね、今日歯が抜けたよ。」
と教えてくれた。なんで1年生が知っているんだろうと不思議に思いつつ「ほんと?」と答えると
「うん。歯が抜けたから、ケーキでお祝いしてね」
と言われてしまった(笑) 次に出合った2年生(つまり同級生)の男の子が
「海ちゃんのお母さん、海ちゃん、今日5時間目に歯が抜けたよ!」
とまたまた教えてくれた(笑) そうか、5時間目に抜けたんだ。
抜けた歯は、ティッシュに包まれて、連絡袋に入っていた。連絡帳には
「帰りの会のときに歯が抜けました。おめでとうございます」
と書かれていた。意外と早く抜けてびっくりしたけれど、周りの子供達がみんな自分のことのように喜んでくれていることが嬉しい。
それにしても、隣の1年生の子供達が知っているのはなぜだろう???
海渡は抜けた歯を見ながら
「すっごいね!」
と笑っていた。
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