++ 記憶の中へ
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■ はずかしい & かわいそう 2004年03月28日(日)
 「はずかしい」と「かわいそう」。
 最近、海渡はこのふたつの言葉をよく使うようになった。
 着替えやお風呂に入るとき、洋服とシャツを脱がせて上半身裸になると必ず

「はじゅかし〜」

と言う。知的にハンディがあるとなかなか「恥ずかしい」という概念が育ちにくいので、これはものすごい進歩。もちろん、上半身だけでなく、パンツとズボンを脱いだときも同じく「はじゅかし〜」が出るので、よしよしと一安心。人前でむやみに洋服を脱いだりしないためにも、この「恥ずかしい」の気持ちをきちんと持ってほしい。もう少し発展して、洋服の着方がだらしがないと恥ずかしい(あるいはみっともない)とか、食事の後に口のまわりや顔が汚れていると恥ずかしいよというのも覚えていってほしいけれど、こちらはもっと難しい。

 まあ、少しずつ覚えて行こうね。

 「かわいそう」は、テレビで人が殴られていたり、泣いていたりすると本当に悲しそうな様子で「かわいそうねぇ・・・」と言う。つまみ食いしたネコを私が叱っていても「ルフィちゃん、かわいそうだって」と誰かが言ったような言い方でネコをかばう。第三者の痛みにはひどく敏感な海渡。だから、海渡は戦い物のアニメをあまり見たがらない。きっと痛そうで、かわいそうで見ていられないんだろう。

 そんなふうだから、この間借りてきたビデオの「トムとジェリー」は大変だった。トムやジェリーがぺちゃんこになったり、バラバラになったり、爆発しちゃったり、もうありとあらゆる方法で痛めつけられたり、イジメられるわけだから、海渡にしてみればハラハラドキドキを通り越して
「痛そお!かわいそお!」
の連発で、テレビの前でおろおろしっぱなしなのだ。それでも、最後にはけっこうハッピーエンドになっているので、
「よかったねぇ」
と一安心したりしているんだけど・・・・

 ゲームもコントローラを握りながら「痛いってば!」と叫ぶわめく。あんまりあれこれ叫ぶから、いっしょにやっている友達は

「海ちゃんは痛くないだろ!」

とうるさそうだけど、でもゲームでもやっぱり「痛そう、かわいそう」の気持ちは持っていてほしい。

 ただ、体に受ける攻撃を痛いと感じるのは分かりやすいけれど、分かりにくい痛みも人間にはある。これをどう気づいて、感じていってくれるかが、これから教えていかなければいけないことかな。

 難しいことかもしれないけれど、でもとっても大切なことだから。






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