++ 記憶の中へ
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■ ひとりで・・・・ 2003年09月25日(木)
 
 最近、海渡はよくこの言葉を言います。

 「ひとりで」

 学校で、一人で体操服に着替えていたり、給食のとき自分からトレイを持って並んでいたり、言われなくてもすすんで行動していることが増えてきて先生をびっくりさせているそうです。

 今朝も、レインコートを着せると「ひとりで」と言い残して、自分の傘を持ちさっさとエレベータホールに向かって行ってしまいました。こっそり様子を見ていると、エレベータのドアが開き、中から女の子の「あれ?今日ひとり?」という声がしました。海渡の「うん」という声がします。

 次のエレベータに乗り、尾行することにしました。後ろから気づかずについていきましたが、やはり水たまりで止まってしまうので、注意したために尾行がばれてしまいました。でも、海渡は特に怒ることもなく並んで歩き出しました。

「レインコート脱がないといけないから、今日は教室まで行っていい?」
「うん、いいよ」

 子供にいい?とお伺いをたてるのも変ですが、一応本人ひとりで行くつもりだったので、その気持ちを尊重しての言葉です(笑)

 昇降口の前、子供たちはみな自分の傘をすぼめて地面にたててくるくる回して水気を切っています。海渡も当たり前のようにすぼめた傘を立ててくるくる回しています。そして、傘かけに傘をたてて、座って長靴を脱ぎました。長靴を自分の靴入れに入れて、その隣にある私のスリッパを出してきて

「はい、どうぞ」

と言いました。まさか、私のスリッパを出してくれるとは思ってもいなかったのでちょっと面食らいました。以前なら、靴を入れるのも上履きを出すのもいちいち声をかけないと動かなかったのに、さっさと自分から動いている海渡。上履きをはいて、自分の教室に行くと帽子、水筒、ランドセルとおろしてロッカーにしまい、レインコートも自分で脱ぎました。濡れたレインコートを空いている椅子にかけて、「じゃあ、お母さん帰るね」というと「うん」と言いながら、隣の1組の教室へ入っていきました。

 ここから、私の知らない海渡の生活が始まります。


 「ひとりで」はお風呂に入るときにも言うようになりました。
 夕食後、「さあ、おふろ」と言いながら洗面所へ行くので、当たり前のようについていくと、洋服を脱ぎながら指を1本立て「ひとりでいくから」と言います。細かいところや背中はひとりで洗えないものの、ちゃんとボディソープで洗うことはできます。シャンプーも自分で髪につけてゴシゴシ洗うことができます。でも、途中で泡が目に入りそうになって「ママーー」と叫ぶんですが。
 シャワーで髪のシャンプーを洗い流してやり、体に残っているせっけんも流してやると、満足そうに出てきます。

 時々甘えながら、でも何でもひとりでやりたい、やりとげたい海渡。

 もっと小さい頃にひとりでズボンを履きたがった「ひとりでやりたい」時期とはまたちょっと違う、いまの「ひとりで」。
 時々「ひとりで」のあとに「いーねんせい(いちねんせい)」という言葉がつくことがあります。多分、小学校1年生という彼なりのプライドがあるのでしょう。1年生だから何でもひとりでできる。そして、おともだちもみんなひとりでやっている・・・ここからくる「ひとりで」なんだと思います。

 今、この大事な時を上手に乗り越えていくとものすごく大きな自信を持たせてあげられるような気がします。

 失敗してもいいから、何度でもやりなおせばいいんだから、どんどんチャレンジしてたくさんの「ひとりで」を増やしてほしい。

 体がぐんぐん伸びる時期があるように、心がぐ〜んと延びる時期も必ずあるんだなぁと実感している今日この頃です。




 



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