++ 記憶の中へ
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■ 2度目の「ひとりで行けるもん」 2003年09月18日(木)
 
 入学当初からずっと付き添ってきた登下校。
 今朝、2度目の「ひとりで行ける」コールがありました。運動会の練習でお疲れモードの海渡は、今朝布団から中々出ることができず、最後までせかされて動いていました。洗面所で海渡の歯磨きをしたあと、家を出る前に洗濯物を洗濯機に入れてセットしておこうと思い、海渡に先に玄関へ行くように言いました。すると、それまでぐずぐずしていた海渡の何が気が変わったのか、

「ひとりで行くから」

と言って、玄関へ走り出しました。
 あわてて、後を追い「本当にひとりで行けるの?」とたずねると「うん」と言って、またまたエレベーターのほうへ走っていきました。エレベータに乗り、下へ降りていくのを確認すると、私は階段で1階へ。

 1階に下りて外へ出ると、集合場所の公園へ歩いていく海渡がいました。公園へつくと、たまたま空いていたブランコのひとつにランドセルのまますわりました。でも、もう時間がありません。班長さんが呼んでいるので、海渡にそう言うと、私が来ていたのに気づいてちょっとびっくりしていましたが、それでもブランコから動こうとしませんでした。

「海ちゃん、今日ひとりで行くんじゃなかった?それとも、お母さん一緒に行こうか?」と聞きました。

 すると、海渡は「ううん」と首を振りました。「じゃあ、がんばってひとりで行ってね」

と腕をとってブランコから立たせました。海渡はあきらめたのか決心したのか、そのまま列のほうへ歩き出しました。私はここで帰る振りをすることにして「バイバイ」と後ろから声をかけましたが、海渡はこちらを振り向くこともなく、列に入りそのままみんなと歩き出しました。

 私は列の一番後ろについて歩くことにしました。海渡は後ろを振り向くこともなく、私はもう家に帰っていないと思い込んでいるようでした。止まることもなく、でも足を速めることもなく、同じペースで歩いています。

 橋の上もそのまま素通りして、橋を降りたあといつものように、道の真ん中に寄っていきましたが、班長さんに声をかけられて引き寄せられるように列に戻っていきました。

 入学当初のころにように、歌を歌ったり、両手を大きく動かして手遊びするということも、好きな食べ物の名前を大きな声で言うこともなく、ただ黙々と歩いていました。一度も立ち止まらず。
 張り切っているふうでもなく、やる気満々元気いっぱいというふうでもなく、こんなの当たり前と言っているような海渡の後ろ姿でした。

 校門へ入ってそのまままっすぐに自分の教室のあるほうへ歩いていく海渡が小さくなるまで見送って、私はやっと安心して帰ることにしました。

 尾行するように後ろからついていないとまだまだ不安ですが、それでも初めての「ひとりで行けるもん」は大成功。あまりにフツウに歩いていて、ちょっと拍子抜けの感もありますが、意外と親がついていなくてもちゃんとできるもんなんだなぁと実感しました。また、そんな日は必ず来るんだなぁと確信した朝でした。








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