++ 記憶の中へ
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■ 靴とランドセルと 2003年05月07日(水)

 海渡の小学校での靴入れは、1年生と2年生の下駄箱が並んだ一番左端の上から二番目。一見、とてもわかりやすい場所です。

 でも、わかりやすい場所が出し入れしやすい、履き替えやすい場所だとは限らないんですね。40人の一年生がいっせいに靴箱に来ると、そこは海渡にとってはとっても危険な場所になります。1年生はみな運動靴を靴入れから出してタタキに置き、上履きを立ったまま起用に脱いで靴入れに入れると、また立ったまま運動靴を履いてつま先をトントンしながら外へ飛び出して行きます。そのスピードとスムーズな動き、器用さは素晴らしいのひと言です。

 海渡は押されるとすぐにバランスをくずして倒れるので、みんなが靴を履き替えて出ていくのを隅っこに立って待ち、誰もいなくなってからやっと自分の靴入れから靴を出してゆっくりゆっくり履き替えます。
 しかも、立ったまま履き替えるということがまだできないので、脱ぐときは壁につかまりながら、履くときは座り込んでということになります。ただでさえ靴の履き替えは時間がかかるのに、みんなが出て行ってしまってから履き替えていては、遊ぶ時間もその分少なくなるし、放課ならまだしも外へ出て並んだり、集合となったら、みんなを待たせてしまうことになります。

 そこで、さっそく先生に靴入れの場所を移動していただくことにしました。一番右側の2年生の靴箱の一番下。1年生がどっと1年生の靴箱に殺到しても、そこなら空いているし、座り込んで履き替えるスペースもあります。

 海渡が場所を変えることを嫌がるかとも思ったのですが、そのほうがゆっくり履き替えることが出来ると気づいたらしく、スムーズに移動できました。

 そして、ランドセル。
 机が最前列の海渡にとって、一番後ろのロッカーへ行ってランドセルを持ってまた狭い通路を通って一番前に来るのは時間がかかるし、危険もあるので、すぐお隣の特殊学級のいっぱい開いているロッカーを海渡のランドセル置き場にしてはどうかとお話がありました。

 もともとは、海渡は特殊学級に在籍しているので、特殊学級のロッカーにランドセルを置くのが本当なのを、私がみんなと同じところへとお願いしてあったのです。でも、みんなと同じにこだわって危険が伴ったり、時間がかかりすぎるようでは、これまた困ります。私は、あくまでも海渡が嫌がらなければということで変えてみることに同意しました。これも海渡はすんなりと了解しました。

 きっと、海渡にはランドセルの置き場が自分だけ変わっても、1年1組には自分の居場所がしっかりあるということが分かっているのだと思います。
 親が思うよりも、子どもはそういうことにこだわらないのかもしれません。また、今までの先生の指導もあって、形より大事なものがあるということが自然にみんなの心にあるのだと思います。

 



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