++ 記憶の中へ
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■ 「宿題、がんばれよ〜」 2003年04月23日(水)
 
 今日は雨、海渡は雨が大好き。
 長靴が履けるし、傘が持てるし、何と言っても水たまりがあります。
 でも、通学団で歩いていくには、水たまりに入るのはちょっとガマン。

 さて、帰りの時間も雨。いつもの橋まで迎えに行きました。
 海渡はニコニコとお気に入りの傘をふらふら持ちながら歩いてきました。

 私が来たのを見た同じ通学団の1学年上の男の子が「はい、これ」と海渡の体操服が入ったバッグを渡してくれました。海渡は傘を両手で持つので精一杯です。バッグを持っていってあげてと、先生から頼まれたのかなと思い、

「ありがとう。先生に頼まれたのかな?」

と尋ねました。するとその子はこちらを見るでもなく

「別に……ボクが勝手に持ってただけ」

とそれだけ言ってどんどん歩いていきました。

 そか、海渡が苦労して持っているのを見かねて、持ってくれたんだね。
 ありがとう。

 上級生の思いやりにちょっとじ〜んとしていたら、今度は

「海渡くんのおかあさん、海ちゃん、宿題できるの?」

とどこからか声がしました。同級生です。「う〜ん、どうかなぁ」と答えていると違うところから、

「あんなの、簡単だから、できるよ」
「できるさ、言葉がしゃべれんだけだもん」

の声が聞こえてきました。同級生にとって、特に違う保育園、幼稚園から来た子にとって、海渡は不思議な存在なんでしょうね。体は自分たちと同じくらい大きいのに、ろくにしゃべれないし、給食はこぼすし、絵も字もぐちゃぐちゃだもんね。

 でも、はじめは訳のわからない「なんだ、こいつ」っていうのから、一緒に生活するうちにだんだんと「海渡はこんなやつ」っていう風に自然と分かっていくのでしょう。いろいろ難しい説明するよりも、一緒にいるのが一番理解できるんだと思います。

 別れ際、その同級生が言いました。

「あらや〜、宿題、がんばれよ〜」





 
 



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