何をしていたときか思い出せないのだけれど、家の中でしゃがむように座っていた私がしりもちをついたとき、海渡が笑いながら言った。
「おっきーぶー、みたい」
おっきーぶー??? おっきーぶー、初めて聞いた言葉。「おっきーぶーってなに?」何度聞いても、海渡は「おっきーぶー」と繰り返すだけ。
おっきーぶー、おっきーぶー、いったい何のことだろう。 かなり考えて、気づいた。
「大きなカブ!」
海渡はにっこり笑って、「おっきーぶー」。大きなカブを引き抜こうとしてしりもちをついたところを言っているんだとようやく気がついた。少し前、保育園でこの「大きなカブ」のオペレッタを練習して、近所の老人施設へ行ったときに上演している。何度も保育園で練習したので、もうすっかりセリフも演技も覚えてしまい、家でも何度も上演してくれた。でも、「おおきなカブ」というタイトルは言ったことがなかった。いきなり、演技が始まるので
「ああ、また大きなカブだね」
と家族は分かっていたのだ。
海渡語はとても難しい。海渡が言っている言葉で私が一番知りたいのは、お友達の名前である。「○○くん、××くん」とたくさんのお友だちの名前が出るのだが、今ひとつはっきりしない。海渡が名前を覚えるくらいだから、きっと一緒に遊んだりしているんだろう。早く、誰のことなのか知りたい・・・・。
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