| 2002年04月21日(日) |
何事もなかったかのように |
4月公演の前半が終了し、ホッとひと息。いい感じで後半につなげそうだ。 家路につく私の前にラーメン屋のだしの匂いがしてきて、誘われるかのように暖簾をくぐった。店内に入ってみると見知った人間は一人もおらず、ましてや「もしや曽根攻さんではないですか?」などと言って近寄ってくる者もいない(いるわけねえだろ)。日常に戻れば全く無名の人間だ(別に、演劇の世界で有名、と言いたいわけではないが)。明日になれば、職場の日々の仕事に追われることになる。 でも、これでいいのだ。日常と非日常の世界を行き来しながら、バランスがとれればそれでよい。夢幻のごとく通り過ぎていく時間のなかで、私は自分さえ知り得なかった自分というものに出会うことになるのだ。何事もなかったかのように時は儚く過ぎ去っていく。 考えてみれば、人生にしたところで、永遠の時間の流れのなかでは夢幻であり、とるに足らないものであろう。それでも、私は一瞬一瞬をかけがえのない時間ととらえ、輝いていきたいと思う。
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