バカ恋
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■ 決行は今夜 ■



シュウの前妻との密談は二時間近くにも及んだ。

次々と明らかになる真実。

彼女の話に嘘はない気がした。

此処数ヶ月、家の中で起こった奇妙な出来事、

弟から貰った結婚祝いが無くなっていたり、

父から貰ったスーさんへの入学祝が無くなっていたり、

アタシの財布から郵便局のキャッシュカードが無くなっていたり。

彼女も過去に同じような経験をしていた。

やっぱりシュウか・・・・・・・・




其れだけのお金を、シュウは何に使っていたのだろう。

総額でどれだけの借金をしているのだろう。

考えたら恐ろしくなった。

シュウの前妻は言う。

何を聞いても、正直には答えないと思う

アタシもそう思う。

こうなったら、シュウが言い逃れ出来ない状況を作るしかない。








シュウは、

アタシと彼の前妻が結託しているとは夢にも思っていないだろう。

まさに青天の霹靂だろう。

『決行は今夜』

そして、彼女は帰っていった。




一人になったアタシは、いろいろ考えていた。

アタシは一体、シュウに如何して欲しいのか。

アタシの目的は何なのか。

此の先、どうやって生きて行きたいのか。

家族とは何なのか、夫婦とは何なのか。

そして何より、

シュウを愛しているのか、愛していないのか。




そんな思いを巡らせていると、

アタシのケータイに着信があった。

それは、シュウの前妻からの電話だった。




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