バカ恋
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■ サーチライト ■


恋は人間を幸福にさせ、

高揚させ、

堕落させ、

虚弱にさせる。





自己嫌悪と被害者意識の狭間で、

アタシは揺れる。

手が付けられない程に

加速し続ける感情を、

抑えるのに必死なのだ。

其れでもアタシの回転は止まらない。

だから、アタシは揺れるのです。

気持ちの全てを肯定出来るだけの自信など欠片も無く、

揺ぎ無い愛に包まれて居ると信じていながら、

塵みたいな小さな不安に押し潰されそうになる。

惨めな自分を曝け出す事さえ出来ず、

見えない何かに縋っては、自分自身を慰める。





昨日は生理痛が酷くて、

痛み止めの薬を何度も服用した。

脳神経も麻痺してて、

身体がとても軽く感じた。

こんな日は、何処かへ行きたい衝動に駆られる。

何か目的が在る訳でも無く、

唯、闇雲に車を走らせる。

海岸線は何処までも続き、

何時の間にか見たことも無い場所に辿り着いた。








あの光は何処まで届くのだろう。

あんな強い光に照らされたら、

アタシ自身さえ透明になってしまいそう。




「こんな日も偶には在っていい」

そんな事をぼんやりと考えていた。

そんな事をぼんやりと考えていたんだよ。








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