バカ恋
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■ 暴走本能 ■


どうにか熱が下がり、今日から出勤。

しかも、朝から恒例の旗振り当番

これ見よがしに咳しまくりで、

インフルエンザウイルスを撒き散らしちゃってた、いけないあたし。





会社のおとぼけ社員共は、病み上がりのあたしに、

優しい言葉を掛ける訳でも無し、

デスクに目をやれば、

其処は図面の山また山。

あんぢゃこりゃ

と、バタアシ金魚の瞳で男前専務をチラリと見ても、

とっとと遣れよ的言葉オンリー。





しかも、皆にインフルエンザ御裾分けしちゃマズイだろ、

と、親切心をフル回転させて、

マスク着用で出社したにも関わらず、

大袈裟ですねぇ〜

と、ヨーコに噛み付かれた。

この会社辞めてやろうかと思ってみたり。






昨夜、八時過ぎた頃、家のチャイムが鳴った。

こんな時間にどなたさん?

昨日まで病み中だったあたしは、

勿論ノーメイク、ノーブラ、ボサボサのアンタ誰状態。

取敢えず、ドアの覗き穴から覗いてみた。





其処に確かに居たのは、間違いなくコージだった。

あたしは素で仰天し、

どーしたものかと、躊躇したけど、

少しだけ怪訝な顔で出迎えてみた。





風邪の具合どお?




コージの手には、あたしへの








が、ぶら下って居て、

コージは其れを気恥ずかしそうにあたしにくれた。

あたしは酷く丁寧に御礼を言い、

そしてコージは帰って行った。







有難う、有難う、

だけど、

此れ以上あたしにかまうな〜!

くそ。






コージに頂いた御見舞いの品を食べてたら、

美味しすぎて泣けてきた。

悔しいから全部一人で一気食いした。





ねぇコージ。

アナタはきっと何気ないつもりでこんな事してるんだろうけど、

そうやって何時もアナタはあたしの心を

チクリチクリと痛めつけてるのに気が付いているの?






知っててやってるんなら鬼畜生だ。




こんな事書いてる間にも、コージからメエルが届いた。

一体どーなってる貴様。






取り合えずシカト決定。

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