バカ恋 | back index next |
■ ぼくたちの失敗 ■ 今日はR嬢とPちゃんがうちに遊びに来た。 みんなでお昼を食べて、 R嬢が焼いてきてくれた、バナナブレッドを食べて、 色んな話をして、 そして彼女達は其々の家へ帰って行った。 あたしは彼女達を駅まで送り、 夕飯の買い物をして家路へと向った。 そんな時、 コージから電話が来た。 メエル読んだ? 彼はあたしにメエルを送ったという。 急いで家に入り、パソコンを立ち上げ、メエルをチェックする。 其処にはコージからのメエルが八通も届いていた。 全てが彼の心の叫び。彼の苦しみ。彼の訴え。 メエルを読み終わった頃、またコージから電話が来た。 鬱の兆候が現れていて、とても苦しんでいた。 そしてとても悩みもがいていた。 どうすれば良いのか、何をすれば良いのか、 どうしたいのか、何を求めるのか、 何も判らないと嘆いていた。 電話で話していても、お互いの気持ちを確かめ合う事など、 到底出来ないと思ったあたしは、 今から行くから・・・ とだけ言って、家を飛び出し、コージの家へと車を走らせた。 コージは部屋の隅で、小さく小さく蹲り、 覇気の無い顔であたしを迎えた。 コージをこんな風に追い詰めたのはあたしだ。 あたしのせいでコージはこんなに苦しんでいるんだ。 そう思った途端、涙がとめどなく溢れて来た。 コージからのメエルを何度も読んで、 結局あたしはコージを苦しめるだけで、 コージを救う事なんて出来なかったんだと、 そう思った途端、涙が止まらなくなった。 泣いているあたしにコージがしがみ付き、 コージも嗚咽を上げて泣き出した。 あたしとコージは二人で何時までも泣いた。 ごめんね、ごめんね あたしはコージの髪を撫でながら、 何度も何度も呟く。 俺達は何の為に生まれて、 何の為に生きているんだろう。 世の中の人はみんな其れを判っているんだろうか、 其れとも、何も考えずに生きているんだろうか・・・ そう言いながら泣き続けるコージを抱きしめた。 ずっとずっと抱きしめた。 手を離したら、此の侭コージが消えてしまいそうな気がした。 弱すぎるほど弱く、脆弱で、ちっぽけな、 小さい小さいコージの心。 あたしが此の手を離したら、 あなたはまた泣くのだろうか。 |
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