バカ恋
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■ 北風と太陽 ■


昼寝をしているコージの寝顔を眺めながら、

あたしは自分に言い聞かせる。








もう少し もう少し








手を離す事は簡単で、繋ぎ続けることは案外難しい。

だけど、

右か左か、○か×か、結論付けてしまうのは、まだ少し早い気がした。








もう少し もう少し







コージは弱い。

些細な事で立ち止まり、考え込む。

思いもよらぬことで悩み、苦しむ。



人の心は力づくでどうにか出来るモノじゃあない。

コージが心に纏った重く分厚いコートは、

どんなに強い風でも剥ぎ取ることなんて出来ない。

寒がって、益々頑なに取られまいとするだろう。




だから、

どうか風よ吹かないで。

太陽の暖かい、穏やかな日差しが優しく降り注ぐのなら、

きっとコージもコートを脱ぎ捨てる事が出来るのでしょう。










コメント変わるらしい

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