バカ恋 | back index next |
■ 迷子のバンビ ■ 新居、決めてきました。 あちこち回って、散々悩んで、 結局、住み心地が一番よさそうで、 家賃が一番お高いところに決めました。 何つったって、狭いけど庭があるんだもん。 家庭菜園作って、食費を浮かせるんだ! 此れで何とか、新居が決まり、ホッとしたかのようだけど、 あたしの心は何故か複雑。 未だに苦悩を繰り返してる。 俺を頼るな と、コージは言う。 責任ある立場になりたくない と、コージは言う。 一人でがんばる と、あたしは言う。 今以上にがんばる と、あたしは言う・・・ でも、少し疲れてしまいました。 コージは会社に出勤したので、あたしは独り。 道に迷いました。 コージに借りた自転車をこぎながら、 時折吹く強風に煽られて、心まで揺れてました。 ほんとに此れでいいの? 風が吹いて、心が揺れる度に聞こえる問いかけが、 疲れた体に染み付いて離れなかった。 お前が俺を愛してくれる事だけが救い コージはそう言った。 あたしは何に救われるの? 何気なくコージへと伸ばした指さえも拒否された。 独りでがんばれと拒否された。 見知らぬ土地での新しい暮らし。 期待や楽しみ以上に不安だらけです。 一人ぼっちで置き去りにされたような気がした。 どうしようコージ・・・ このままじゃ、あたし、不安に押し潰されちゃいそうだよ・・・ でも、この思いはきっとコージには届かない。 |
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