バカ恋
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■ 君ヲ思フ ■


あたしのおっぱいに潜んでいた、お騒がせなシコリくんは、

あっという間に、ちゅーっと吸い取られ、

ほんの小さな傷跡が残った程度で、あたしの体から居なくなりました。

短い間だったけど、楽しかったよ。

もう二度とお会いする事は無いでせう。



病院の夜ってのは、怖くてたまりません。

何が怖いって、隣のベッドのオバサンの騒々しい唸り声。

傷口の痛みに耐えられないのか、唸り続けるオバサン。

最悪です。恐怖は殺意に変わります。

そっと隣に忍び込み、濡れた新聞紙でも顔に乗せてあげましょうかと、

本気で思いました。

静かに寝ろよ、ババア。

朝が待ち遠しいのは久しぶりでした。



今回の騒動で、あたしは本当に沢山の御勉強を致しました。

生きるという事、死ぬという事。

そして色んな事を考えました。

自分の事、愛する人達の事。

思いが在る限り、其の思いに応える事が出来る生き方をしたいと、

心から思いました。有難う皆様。本当に有難う。

処置室からの帰り、おっぱいが無事であった事が、

物凄く嬉しくて、其処に在る事を何度も確認しながら、

病室へと戻ったのものでした。









昨夜遅くに訃報が届きました。

仲良くしていた、いとこの子供が亡くなりました。

若干弐拾八歳。早すぎる死です。

一緒に遊んだ子供の頃を思い出しました。

雪だらけになってはしゃいだ事、

夜遅くまで話をした事、

彼女が親に怒られた時、一緒になって謝った事、

二人でお好み焼きを作って食べた事、

全てが懐かしく思い出されます。

心残りは、最近のあなたと余り話が出来なかった事です。

さようなら、綾ちゃん。

今日一日、あなたを想います。










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