バカ恋 | back index next |
■ 狂 犬 ■ 話があるんだけど・・・ 両親を目の前に、あたしは遂に引っ越しの件を告げた。 彼等は一様に驚く気配が無く、逆に「んなこと知ってらい」 みたいな表情を浮かべていた。あたしが超ビックリ・・・バレてる あたし自身が思う事、全てを恙無く伝えたところで、 父上が云った。 お前が決めた事にイチイチ口を出すつもりはない。 其れなりの覚悟で決めた事なんだろうから、好きにするがよい 父の其の言葉に少々面食らったが、話せば判るもんだと、 胸を撫で下ろしたのも束の間、 隣で鼻息荒げて、「お父さんは許しても私は許しません!」と、 鬼の形相を浮かべる彼女・・・@母上 かなりヤバイ・・・ この状況はかなりヤバイ・・・ 大体、あんた、順番が逆じゃないの? こう云う人とお付き合いしてますって紹介もしないで、 いきなり引っ越しをするってのは何よ! 人生舐めてる。世の中そんなに甘いもんじゃないのよっ!キィーー!! 母上のテンションは高まる一方。 逆に父上が母上に怒り出す始末・・・神様、どうにかしてください。 親としてみれば、心配するのは無理も無い。 でもね、お母さん。あたしもう参拾も過ぎたいい大人なのよ。 あなたにとってあたしはまだ、甘ったれた考えかもしれないけど、 其れでも、自分自身の事なんだもん。 自分の責任は自分で取りたいんだもん。 云っても聞かない人だという事は、父上もあたしも重々承知してる。 理解してくれって云っても無理なんだ。 がんばっておいで、って云って欲しいけど無理なんだ。 やっと仲良しになれたと思ったのにね。 あたしにとって、あなたはかけがえの無いお母さんなのにね。 最後まで母上は断固反対の姿勢を覆さなかった。 此れ以上は何を云ってもしょうがない。 ごめんねお母さん。 あたしを引き止める事はできないのよ。 最後に母上の恐るべき一言・・・ あんたを殺して私も死ぬっ! 怖いでしょ?うちの母上・・・嗚呼 其の言葉にうな垂れる父上・・・南無 |
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