バカ恋 | back index next |
■ ヱレキテル ■ あ、やっと笑ったね。 笑顔のほうがずっとかわいいよ。 だぁりんと初めて会った其の日、 緊張しまくりで、うつむき気味だったあたしに、 彼は優しくそう言った。 嫌味のないだぁりんの其の言葉が、 なんだかとてもうれしくって、 あたしの緊張の糸は、少しずつ、少しずつ、 ほぐれていったのだった。 そもそも、あたし達は、お互いの事はよく知らなかった。 あたし達は只の知り合い程度だったし、 偶々、だぁりんちの近くに行く用事があったので、 会う事になっただけなのである。 其れから、あたし達は色んな話をした。 過去の事、仕事の事、恋愛の事、友人の事、家族の事・・・ もっと知りたい、もっと知り合いたいという気持ちでいっぱいで、 時が経つのも忘れ、夢中で話を続けた。 今日は12時までには送り届けるよ。 お互い大人なんだから、節度或る行動をしないとね と、紳士チックなことを言っていただぁりんだったが、 気付くと時計は既に12時を過ぎていた。 もう12時過ぎちゃったよ ・・・・・・・帰ろうか 其の日あたしは、弟の家に泊まることになっていたので、 あたし達を乗せただぁりんの車は、 弟の家を目指して、走り始めた。 (まだ帰りたくないよ、もっと話がしたいよ。 此の侭時間が止まればいいのに・・・) だぁりんの車の中で、あたしは会話もうわの空で、 そんな事ばかり考えていた。 やがて車は、弟の家の近くまで辿り着いた。 あ、この辺でいいよ、弟んちこの近くだから え?もう着いちゃったの? しばしの沈黙が2人を包む ね、もう少し時間ある? あるけど・・・ もう1時間だけ付き合ってよ うん。 あなたもまだ帰りたくはなかったの? なんだかとてもうれしかった。 同じ思いでいてくれたことが、すごくうれしかった。 そして、あたし達は、綱島街道沿いのジョナサンで、 コーヒーを飲んだ。 もうすぐクリスマスだから、クリスマスのプレゼント交換をしよう へ? 子供のころよくやったでしょ?予算決めて、プレゼントしあうの あはは、うん、いいよ じゃ、これ俺んちの住所・・・予算は、2千円! えええ!2千円じゃ、ろくなの買えないよ、せめて3千円! よし、じゃ3千円ね。ゆびきり うん、ゆびきり そして、あたし達はクリスマスのプレゼント交換の約束をし、 記念にと写真を撮って、そして、 今度はいつ会えるんでしょおねぇ そのうち会えるさ〜元気でね そっちも元気で。今日はありがとう、楽しかったよ。じゃあ、またね あたしたちは、握手を交わし、もう会う事も無いかもしれないな、なんて 笑いながら、美しくさよならをした。 はずだった!! 長くなるのでつづく・・・ |
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