長いお別れ
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私は誰の気持ちも代弁なんかしない。 他人の事はわからない。 ただ、私だけ。
人より良い思いがしたい。 愛されたい。 甘やかされたい。 私だけが思ってることじゃないと思う。 心の底で誰でも一度は思ったことがあるだろう。
健康で、五体満足に産まれ、知能もそれなり。 容姿は端麗とは言えなくても、気に入ってくれる人もいる。 望んで、それに向かって努力さえすれば、 手に入らないものはないはずなのに。 なぜ私は幸福だと言いきれないんだろう。 何が足りないんだろう。 どうして普通の人のように生きられないんだろう。 何が違うんだろう。 脳みそだろうか。心だろうか。心って何だろう。どこにあるの。 それを取り出して交換したらもっと普通になるの? 普通ってなんだろう。足並みをそろえることだろうか。 少なくとも学生時代の私は「普通で真面目」だったはずなのに。
欲だけが膨らんで、自分でもどうすればいいのかわからない。 いっそ死んだら良いんじゃないかと思う。 でもどうやって? 死んだ後のことを心配するのは、そうやって心配することで ごまかそうとしてるだけ。そう。死ぬのが怖いだけ。 自分がいなくなるのが怖い。今だって、死んでるのと同じなのに。 人は、人に認識されて初めて生きてる。 今の私は幽霊のようなものだ。 気づく人には気づいてもらえるけどそれだけ。
不慮の事故とか、大病や、殺されるとかで、本当に死ぬと悟ったとき、 私はきっと後悔して、今こうしている自分を罵るだろう。 わかっていても、「普通」に戻るのが怖い。 戻ったところで何があるの。 死んでしまいたい。 という言葉は、たぶん一番卑怯な言葉なんだろうと思う。 泣く子に勝てないのと同じように。 それでも。 何をどんな風に感じるか、それを表現するかはその人次第。 言わないのも自由なら、言うのも自由だろう。 人を傷つけずに生きるなんて、誰にもできない。 神様にだってきっと無理。
最近読んだ小説の兄妹愛が羨ましくて本気で泣いた。 馬鹿みたいだ。 その小説の中で、肉親が妹だけになった兄は、 妹に生涯の伴侶ができるまで 所帯を持たないでおこうと決めていた。 「家族を持てば、そちらが大切になってしまうから」
御伽噺だ。夢物語だ。誰だって自分の幸せが一番大事だ。 だけど私はあんな風に愛して欲しかった。 自分ができもしない事を、他人には要求するなんて卑怯だ。 だけどあんな風に愛して欲しかった。
自分のことを信じたり愛したり慈しんだりできない人間が、 他人を愛したり信じたり慈しんだりできるわけが無い。 身をもって知った。 私には基盤が無い。 人が生きていく上で一番大切なことを教わらなかった。 人は、教えられたことしかできない。
欲しいものは、本当はひとつだけ。 私じゃない人生。
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