カタルシス
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2004年10月24日(日)  紅茶ブルーズ 

朝から何となくソワソワ 買い物がてら友人に会いにいくついでに オンラインで薄っすらとお知り合いになっていた人たちが集まっている場所へ寄り道 実のところどっちが“ついで”なのか解らないくらいに 今日のメインはその襲撃だったりするんだけれども…
ご挨拶のつもりで自分お気に入りの紅茶を配って歩く私

昨日は仕事という口実で連れ回され 帰りが遅くなったおかげで 自分では何もできなかったのだけれども 出先から届いた母のメールに飛びついて「できたら百貨店Iに寄って○○って紅茶を買って来てもらえませんか!」と頼み倒したのだった 存外あっさりと快諾してくれたところを見ると 休日出勤の娘を不憫に思っていてくれたのかも知れない 本当の仕事なんて昼過ぎには終ってたんだけどね(黙)

とにかくそのお陰で 今日会う皆々様への貢物ができたと そんな訳
(この際自分の好みを押し付けてしまう現実には敢えて目をつぶってしまおう/汗)

普段ネット上でしか接触しない人たちに 日頃のお礼を伝えつつ 人見知りの悪い癖がでて 終始しどろもどろで怪しげな言動をかます我 ああもう こんなだからダメなんだよ! いっそ自己啓発でもするべきなんだろうか…

もっと上手に 人とお話ができるようになりたいです・。

挨拶回りを済ましたら友人のもとへ
愛知から遥々遊びに来ていた彼女と あっちゃこっちゃの話題で盛り上がり ひとしきり喋り通したら時間が来たので お互い次の予定へと行動を移した

彼女は別の友人達とお茶会 私も別の友人とライブ


時は夕刻 次なる友人と合流してからライブ会場のある吉祥寺を目指した 今夜の目当てはPOWDERさん 出番は20:30とゆっくり目だったので 移動の最中ものったりと緊張感がない 個人的には日中に緊張しっぱなしだったから 気心の知れた友人と2人でそぞろ歩くのは 気が抜けてて然りであり 相手もまた昼まで寝尽くしていたらしくテンポがまったりしていた 何でも前日まで仕事がハードだったらしい ちなみに今夜も帰ったら自宅で仕事だそうだ… なのにライブに来ちゃう辺りが
豪気で好きよッ!(≧∀≦)b☆グッジョブ

吉祥寺に着いたのは何と17時前 出番まで3時間以上あったので ライブハウスとは逆方向にある印度カレー屋で ゆっくりごはん 実は私 これが今日初の食事である(…太るぞ)

いくらゆっくり食ベていたといっても 流石に何時間も同じ店に居座るのは肩身が狭くなって来たので カレー屋を出てもと来た道を逆に辿って駅の反対側まで戻った我々は ライブハウスの真後ろにある喫茶店で 時間になるまでお茶することに決め込んだ
アールヌーヴォーで飾られた珈琲自慢の店のようだったが 自分は紅茶 友人はビールと 全く店の趣向を無視した注文をする …放っておいてよ 好きなもんは好きなんだから仕方ないじゃないのさっ

20:20 店を出てライブハウスの表に回る 裏口にベーシストのさなやんが目視できたが 何やら座り込んで額に手をあて 神妙にうつむいているので声をかけそびれた が…頑張りやリーダー!(^^;) とりあえず心でエールを送る

そうそう大きくもない会場だが 何故か今日は超満員の吉祥寺『曼荼羅』 入口に人が詰まっていて身動きが取れなかったので 曲間にゴソゴソと無理矢理移動 中ほどはポッカリ空いているのに 誰もそこへ立とうとしないから 変な混雑具合を見せていた
とりあえず奥まで進んだらひと息つけたので 前のバンドの演奏をしばらく鑑賞

POWDERの出番になって客の入れ替えが始まり どさくさ紛れに椅子を確保 その間セッティングに姿を見せていたメンバーを見て 一考する

スージーはまだ風邪が治ってないんだろうか?

昨冬から着ているカーキのフードジャケットの前をしっかり止めて 首にはフカフカのマフラーをぐるぐる巻きにしている 私なんか夜になっても上着を脱いで動いていたくらいなのに それは明らかに厚着でしょ兄さん(汗)
ベースのさなやんも ドラムのクリさんも そげん厚着ばしてなかとです そこはかとない不安を感じながら ライブの開始を迎えるのだった

「今日は何しに来たんだよ 座りに来たのか?」
のっけからスタンディングを煽るボーカル・スージー いや 前から2列目で申し訳ないけど おばちゃんちょっと今日大荷物だったし疲れてっからさ 許して頂戴よ頼むから… と思ってみたところで最前列の若気なファンが大人しくしている訳もなく 私の前には総立ちの背中が立ちはだかった が いっそヤケになって座りつづけていた私(笑) というのも 丁度隙間から見えてたんでね 3人共 だったらこのままでもいっか なんて

初めの1・2曲は絶好調で歌っていたスージー だんだん目つきが怪しくなってきて ギターや歌詞がゆらゆらしてきやがった MCでもちょっとおかしなこと言ってたし こりゃ随分と体調悪そうだな(汗)と単純に思わせる姿を晒している 何と言うかこう… 気が気じゃない

このまま倒れたらどうしよう?とかまで考えちゃったよ 余計なお世話しぃだよ全く(>w<;)ゞ それでも何とか最後まで歌いきって(“きった”と言うと語弊がありそうだが)後片付けしてステージから去って行った

私の周囲では「…大丈夫かな?スーさん」の声 やっぱり同じ不安を感じていた人がいたよ(苦笑)

気になったので終演後マネージャーさんに訊いてみようと思い物販にいた彼の元へ寄って行ったら 右足に見事なギブスをはめて松葉杖なんぞ突いていらっしゃる
「どうしたんですか?!それ!」
スー氏の体調を訊くつもりが そんなこと吹っ飛ばしていた

「フットサルで折っちゃったv」
「折っちゃったv って!ああた(汗)」
ひとしきり彼の足の話で湧いたあと 当初の目的を思い出してスージーの体調について尋ねてみたところ 事前には何も言っていなかったとの応えだった ふーん…そうかぁ と首を捻って見せたら「どこが悪かった?何が変だったの?」としきりに質問されて 全体的にフラフラしてたと思っていたものの 何がどう悪かったとかうまく説明ができない私は 返答に困ってしまった
歌詞間違いや演奏ミスは元気なときでもやっちゃうことあるし 何をもって“体調不良”と判断したかと問われると 一体何だったんだろう?と思えてきたりして

「ただこう 目が虚ろだったというか 後半ヨロヨロしてなかった?」
「うーん… 解らなかったなぁ〜」
あれぇ?(汗) マネージャーが気付かないなら 私の気の所為なんかなぁ???

次のバンドが始まったので サクっと帰るつもりだった我々は 一旦外へ出ることにした

裏口に回ると さなやんクリさんがお客さんの相手をしている真っ最中 その中にスージーの姿がないことに気付き「スーさんは帰ったんだね?」と声をかけたら 「うん ちょっとね」とクリさんの返事 何となく 納得

普段一番かまってくれるクリさんが 今日はイソイソと帰り支度をしているので 珍しいなと思っていたら「新潟が大変なんだよ 実はちょっとした身内がいてさ」とこぼした ええ!そうなの?!じゃあ早く帰ってあげなよ 私らなんか放っておいても大丈夫だよ(汗) 「ごめんね」と何度も繰り返して 入口を出たり入ったり忙しなく動いていたクリさん そのうち「車取って来るわ」と姿を消してしまった

やーん お身内ってどなたでしょ 心配だろうなぁ 結構な惨事だもん今回の地震 ハラハラ…・。

マネさんにもクリさんにも持参した紅茶を渡せたので 残るさなやんにあげたら今日は退散しよう とお客さんの相手が終った頃合に「紅茶飲む人?」と声をかけてみた 「飲む飲む!オレ紅茶派やから♪」 おお!いつになく良い反応v
「良かった〜 じゃあこれあげる 飲んでv」渡すと「どんなお茶?」と訊いて来たので 香りが良いお茶で リラックス効果とかあるらしいよ でもハーブティーと違ってちゃんと紅茶の味するよ とにわかにプロモーションをしかけると “香り”に興味を持ったらしく その場で確認しようと封を開け出した 見守る数人の客達

「…開かへん」

切り口のないビニールと格闘する三十路男
紅茶の風味が飛ばないようにと完全密封の袋止めが すっかり災いしてしまっている そのうち袋の端にかじりつき出した

「ちょっとちょっと!さなやん?!(汗)」
ここまで来ると意地なんだろうね… 引っ込みつかなくなってるのが目に見えて解るゾ

ガジガジと手元を蠢かす姿を見かねて 周りにいたお客さんに「ハサミかカッター持ってる人 いませんか〜?(^^;)」と尋ねてみたところ 奇跡的にもハサミをお持ちの方がいらして 気前良く貸し出して下さった わおー!
さなやんにハサミを渡すと 輝かんばかりの視線と共にジャキ☆と袋の一部に刃を入れる ほわん 途端に香る林檎と向日葵の花

「ほんまや〜 匂った匂った〜」

…良かったねさなやん そんなにリアクション取ってくれたのは兄さんが初めてだよ そんなアンタが大好きさ!(≡▽≡)・。

松葉杖で狭く急な階段を上がり裏手まで来てくれたマネージャーのカリーくんとも 結局随分話し込んで その場を離れたのは22時を回ろうという時刻だった
だってね 松葉杖腕に引っ掛けてバイク(スクーター)乗って来たとか 階段がキツかったんで将来はバリアフリーのライブハウスを作ろうと思った!とか 話たがりなんだもん あの人(笑) いや もう すっごい好きよこの人もッ!

なんだかんだでトータルしてみたら スージーは風邪?っぽいし クリさんは新潟にお身内がいて カリーくんは右足骨折で全治6週間だし 満身創痍なバンドだなぁおい 唯一無傷なリーダー・さなやん ぜひとも頑張っておくんなさい

お茶 飲んでねv(笑)
 

『紅茶ブルーズ』青山陽一


 


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