カタルシス
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2003年12月31日(水)  憂世 

妹おすすめの英国映画『SWEET SIXTEEN』を観た

賢くて家族思いの優しい少年なのに 貧しさや周囲の情況からまっとうな生き方をすることができず 荒んだ世界の深みにどんどんハマって行ってしまう 何とも無情な話

でも何かイギリスの貧民層ってこんなイメージがある

確かに主人公の少年は日に日にヤバい方へと進んでいくんだけど 決してネガティブな思想を持っている訳ではなく 彼なりに前向きに一生懸命生きようととしているんだ 作品も暗かったり重かったりって雰囲気じゃないし 本当に日常のありふれた場面を切り取って淡々と事実だけを映している感じなの 誰かの感情に引き込もうって所作は見られないのに 気がつくと誰かに移入しているのは登場する人々がそれだけ身近に感じられているってことなのかも知れない 監督ケン・ローチの得意とする「庶民」の姿だ

驚いたことに主人公を演じた少年は それまで役者の経験も演技の勉強も全くしたことのない素人だったらしい オーディションを受けてクランクインまでの短い期間だけの稽古で あれだけの演技ができるなんてスゴイ 全編を通して登場している彼は本当に貧困と犯罪に翻弄される一少年に見えていたが 特典映像でインタビューを受けている彼は裕福そうで育ちの良い少年の姿をしていた ほへぇ…

ハリウッドの作品と違って所々に「ん?今のはどう解釈するんだ?」と思うところが出てきて それは最後まで解決されないまま放置される だから自分で考えなくちゃいけない ケン・ローチが狙った答えはあるのだろうと思うけど 多分その答えは観た側の個々に委ねられているんだろう 観た人の数だけ解釈があって良いのだと思う

ヨーロッパ映画はそこが良い でもそこが厄介でもあるんだよね(苦笑)

私は好きだけど


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夕方から外出
愛知から来る3人の友人と渋谷で待ちあわせをして
公園通りを上りきったところにある「モンスーン・カフェ」で
アジアン料理を結構食べる
この後年越し蕎麦があるのにこんなに食べて良いのか?
ってくらい食べる…

その後吉祥寺に移動
時間がギリギリだったので大慌てでライブハウスPlanet K を目指す
場内に飛び込むとお目当てのバンド「グルタミン」がセッティング中で
滑り込みで間に合ったことに 胸をなで下ろす-3

グルタミンの演奏は終わったけれど本日のトリだった「びゅ〜ちふるず」って人達も見たかったので
そのまま会場に残ってドリンク飲み放題&蕎麦食べ放題で間をつなぐことにするが
先程かなりの量を食べていたのでそんなに入るわけもなく… 控えめに飲みのもを ちびりちびり

初めはカウントダウンまでにはグルタミンの元へ戻って一緒に年越しをしようと思っていたのが
びゅ〜ちふるずの出が遅くて年越しまで2曲しか見られず 彼らまで3組ものバンドをやり過ごした時間を考えたら惜しくなり
そのまま最後までいることにした

びゅ〜ちふるずの演奏が終わったら1時近く 思いのほか長く演ってたんだなぁ〜と言いながら
グルタミンの打ち上げに合流する

そのまま4時半頃まで飲めや騒げやで過ごし 店の閉店に合わせて解散
大晦日〜元旦なので電車は一晩中動いていたが 愛知組の新幹線の時間までにはまだ間があったので
近くのカフェで5時過ぎまで時をつぶしてから 揃って中央線に乗り込んだ

新宿で一人乗り換えの私は 流石に今日はこんな時間でも人通りがあるな…
と周囲を眺めながら 私鉄の駅を目指して街中を歩く

地元に着いたら朝ぼらけ
遠くの空が水色に光り根元はオレンジ色に滲んでいた まるで夕焼けみたいだ

自宅に戻ったのは6時半だったのに妹が起きていて驚いた
「寝てないの?」と訊いたら「ビデオ見てた」と苦笑う
昼過ぎには親戚の家に行かなければならないから
「このまま動くのはキツいから寝るよ?」と私が言うと
「私も寝るよ」と妹も言った

それから思い出して
「明けましておめでとう」
「今年もよろしく」
とお互いに挨拶をする

変な姉妹…

『憂世』千綿ヒデノリ


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