斜め読み日記
みなと



 ひどいオンナ。

今日の昼下がりの事でした。

みなとは休憩所のソファーの上で動く
小さなイモムシを見ました。


「やあ、これはきっとチョウチョウの幼虫に違いない。
 こんなところでサナギになったら大変だろうな」


「そうだね」
「そうだね」

と、一緒の部屋にいた友人たちも言いました。


「よし。外に出してあげよう」と
みなとは虫を紙ですくい上げて外に運び出しました。


少し歩くと
ちょうどいいカベの隙間が見つかりました。


「ここなら雨も直接当たらないだろう。
 この辺で逃がしておくか」

と、みなとはゆっくりカベに虫を移しました。


虫が元気に歩き出したので
立ち去ろうとしたその時です。


隙間に近い
雨どいのパイプの影から
何かの頭がすっと表れました。


夜の街灯に集まる虫を食べるヤモリです。



…なんか見てる。


めっちゃ見てる…。











ぱく。



「あぁっ!!」





みなとが休憩室に帰ると友人たちが

「どうだった?」「大丈夫だった?」と聞いてきました。



「結果的に…殺しちゃった…」と
外での話をする羽目になったのでした。


2008年05月08日(木)
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