本日の感想文。

2005年03月01日(火) 春は遠い……

3月ですが、去年は一度も着なかったアンゴラのロングコートをまだ着ています。それでも寒い。
今日は4度(マイナス)です。しかも日中なのに。(^0^;

朝起きたら、雲ひとつない青空だったので、うー寒そう……と思ってしまいました。
放射冷却現象は、北海道にいる人ならば誰でも知っているだろう、気象現象なのです。
フランス語を習いにJR(今日は遅れなかったよ♪)に乗っているうちに雪。大通りまで20分間吹雪の中を歩いてしまいました。
(ーー; 私って、雪女???

フランス語のあと、英語のレッスン。(^0^;
すごい! こう書くと私ってすごい!……カッコだけは。

これで両方とも話せるようになるといいのだけれど、ちょっと厳しい。
たぶん、カンオケの中に入るまで勉強しても無理だろうな。
なぜって、努力が足りないんだよね。私。

***

実は。
今日、すごいものを見てしまいました。

駅前の人通りの多い中、突然若い女性の悲鳴が聞こえたのです。
「きゃーーーーーー! やめてーーーー! 誰か! 助けてーーーー!」
ふと前方を見ると、若い女の人が路肩の雪山の中に押し込まれていました。
初めは
「観光客の若い子が興奮して友人とじゃれているのかな?」
と思いましたが、様子がおかしいのです。
ちょうど行く方向だったので、ちらっと様子見すると、スーツ姿の体格のいい男性と、背格好も姿も泉谷しげるそっくりなおじさんが、にらみ合って怒鳴りあっているではありませんか!
それが
「テメー○×△◆!」(つまり、聞き取れないほどのすごい汚い日本語)
「何だ!おまえ、○×◆◆!」(やはり、聞き取れない日本語らしい罵声)
もう、英語よりもフランス語よりも理解不能で、迫力が怖かったです。
そのうえ、雪山に倒れている女の子は……20代前半だと思われますが、アイシャドー濃すぎ……じゃなくて! 殴られたのか、目の周り真っ青だったんです。いたーーーい!!!
ふらふら起き上がって、スーツの男性に向かって
「いいんです、ごめんなさい、ごめんなさい……」
と、泣きながら小さな声で言っているのが聞こえました。
泉谷風の男のほうは、最後にやはりわけのわからない捨て台詞を残して差って行きました。
そのあと、女性はスーツの男性にしきりにお礼を言っていました。

ちょっと、怖かったです。
えーと、このあとは私の空想です。
男の人はスーツ姿。ということは、おそらくとおりすがりではなく、近くのお店の人だと想像できます。
もしくは、近くのお店でご飯を食べていたサラリーマン? 
なぜって、この寒さの中、コートも着ないで男の人が歩いているのは、考えにくいんですよね。

もしも店の人だとすると……すごい勇気かもしれません。
だって、復讐されるかも知れないじゃないですか?
しかも人の面前で、すごい汚い言葉を怒鳴り散らして……。
お店って人気商売だから、こういうことには関わりたくないのではないでしょうか? しかも、揉め事は店内で起きたのかも知れませんが、もう外に出てしまったことだし。
近くが警察署なので、電話するくらいがいいところかな? などと。
実際に、人が何人も通り過ぎたのに、誰も見てみぬふりだったのです。
「正義感あふれることをしてくれて、お店に何かあったらどうするの?」
などと、上司に怒られるかも?(いや、その人が店長さんだったのかも?)

でもね。もしも、誰もが知らん振りだったら、彼女は殺されていたかもしれません。
大げさじゃなくて、本当に。
冬じゃなくて夏だったら、彼女は殴られて車道に飛び出してしまったかも知れないし、倒れただけでもけっこうなケガだろうと思います。雪山がクッションになって、彼女は顔のケガだけですんだんです。
もしも、誰も助ける人がいなかったら……私は、何か助けることをして上げられただろうか? って、考え込んでしまいました。

もしかしたら、その女の子が悪いことをしたのかも知れません。
でもね、抵抗も出来ない自分よりも明らかに力のない者を、そこまで殴ることはないだろうと思うのですよ。
しかも、自分よりも体の大きな男に、がなりあいで互角だったけれど、殴ることはなかったし、わかったのか何なのか、去っていった。
つまり、コイツを殴ったら、自分もやられる……と思ったのか?
となると、もしもスーツの男の人が小柄だったら、やはり殴りあいになっていたのか?
そうしたら、私はどうしたらいいのだろう?

やっぱり、私は知らないふりして通り過ぎることは出来ないかも……。
いや、あれだけ怖いのを見たら、やはり見なかったことにしちゃうかな?

……そんなことを考えていたら。
20年ほど前のことを思い出しました。

地下鉄のホームのベンチに座っていたんです。
私は大きな荷物を持っていて、それをベンチの横においていました。
地下鉄は混雑した時間ではなく、いったばかりのこともあって、人影はまばらでした。
すると、遠くのほうから中年のおじさんがツカツカと私に歩み寄り。
「最近の若者はどうしてそんなに自分勝手なんだ! 他人のことをなぜ考えないんだ!」
と、いきなり怒鳴りだしたのです。
私は、あっけにとられた……というか、迫力に負けて、硬直しておりました。
「荷物は床に置け! そうやって公共施設を自分ひとりの物にして、恥ずかしいとは思わんのか!!!!」
私は慌てて立ち上がり、そして荷物を持って逃げ出そうとしました。
「何だ! おまえは! 口の利き方もわからんのか! そうやってこそこそ謝りもせずに逃げるのか! 卑怯者めが!」
もう泣き出しそうなときでした。
今度は、別のところから、別の男性がきて
「あんた、さっきから聞いていれば、よくそんないちゃもんつけられるよな、恥ずかしいのはどっちですか!」
と、私のかわりに反論してくれたのです。
「混んでいて座りたい人がいるっていうならわかりますがね、あんたのは完全に嫌がらせじゃないんですか!」
すると、今度はおじさん、その男性に向かって怒鳴り始めました。
いつの間にか、私は忘れ去られ、そのうちやってきた地下鉄に怒鳴りあいながら乗り込んでいきました。
私……呆然と取り残され……。

でもですね。
私はとてもうれしかったのですよ。
ガンガン怒鳴られても、知らんぷりして聞き流せば、おじさんは地下鉄が着たらそれに乗って去っていったかもしれません。
でもでも、私はてんで持たなくてもいい【非常識人間】のレッテルを貼られたままで、呆然と日々を過ごさなければならなかったのかも。
私をかばってくれた人がいたことで、
「私、悪くないもん!」って、思えたのですよ。(^^)
全然お礼もいえなかったことが、今でも心残りです。

……しかし。
困っている人を助けることすら、怖くて出来ない世の中になるとは……水戸黄門はいいなぁ……。
と、脈絡のない文章で終わる。





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