本日の感想文。

2005年01月16日(日) フランシーヌの場合

私が小さな頃、この歌が流行っていたんですよね。
で、詩の意味がよくわからず、母に聞くと
【自分に火をつけて自殺しちゃった人】
と、教えてくれました。
幼心に、なぜそんな事をしたのだろう? と、疑問に思ったものです。

「フランシーヌの場合はあまりにもおばかさん」
その理由を、この歌の詩は歌っていません。
だから、余計に気になってしまいました。

たまたま、紅白でこの歌を聴いたので、ネットで検索して調べてみました。
すると、当時、母が教えてくれたように、焼身自殺した女性の名が出てきました。
彼女は、ベトナム戦争に抗議してパリで焼身自殺し、当時は大ニュースになったらしい……。
しかし、今は彼女のことはしっかり忘れられていて、この歌が大流行した日本でのみ、時々人の記憶に残っている……という感じです。

1969年、学生運動が盛んで、こんな事件が起こっても不思議はない時代だったのでしょう。
死をもって訴える、という抗議は、どこか自爆テロにも似ていて、狂信的な信念を感じます。

しかし、地球よりも重たい命を掛けて訴えても、人々の心には一時の衝撃しか残せないようです。
その事件を歌にしたおかげで、彼女は風化せずに残っていただけで。
人の心に残すメッセージは、死などよりも詩のほうが強かった……。
というところでしょうか?

真の平和は、破滅的な行為からはけして生まれないのだなぁ……と感じます。


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