2005年12月16日(金) 映画「ヴェニスの商人」 |
映画「ヴェニスの商人」
製作年度 2004年
製作国・地域 アメリカ/イタリア/ルクセンブルグ/イギリス
監督 マイケル・ラドフォード
原作 ウィリアム・シェイクスピア
出演 アル・パチーノ、ジェレミー・アイアンズ、ジョセフ・ファインズ
面白かった。途中、前評判どおり、眠くなったが。
全般を通して、シャイロック(アル・パチーノ)がかわいそうだった。
私はユダヤ教に対して、偏見がないので、なんともかわいそうだった。
…偏見ないけど、正しい知識もないから、彼が首にかけていた
(おそらく、キリスト教徒でいう十字架)ものがわからなかったりな。
冒頭のアントーニオに唾をはかれたり、ユダヤ教徒が隔離され、
見下された生活を営んでいるのを見たら、ちょっとだけ、ユダヤ教側になる。
それなのに、最後の裁判。これですべてがご破算に。
ポーシャ(金持ち・博識・美人と3拍子そろったいい女)が憎くなったよ。
勝ってたはずが、財産没収かつ死罪までひっくり返るもんなぁ。
なんなんだ!!
最後の「キリスト教徒に改宗しろ」というのはこれまたひどい。
キリスト教徒になったら、自殺できないじゃない!
財産なくなるなら死にたい、とまで言っているのに!!
「・・・結構です」
と、俯いて、ユダヤのお守りを握り締め、つぶやくシャイロック。
かわいそう。あまりにも無残ではなかろうか。
ここまで迫害を受けていた民族だとはてんで知らなかった。
こんな有名な戯曲にまでなっていて、公でさげずまれているのも同然。
ユダヤ教徒の何が悪いの?と、私は同情したくなる。
恋愛に関しては、とんちが聞いていて面白かった。
こいつらがいたからハッピーエンドなんだが。
ラストで父を捨てた娘が、売り払ったと思われた指輪を大切そうに
持っていて、朝日の中漁をする人を眺めるシーン。
ますます、かわいそうになってしまう。
シナゴーグに入れず、自らの神に祈ることすらできない
己の父の無念を知ってか?!
アル・パチーノの名演がすばらしい作品でした。