白虎草紙
『遙か』の白虎組についての四方山話、SSなどです。

2006年01月06日(金) Happy New Year, Takamichi.


  
 
 
「…うん、そうなんだ。

機内の放送装置の故障でね、離陸が出来なくて。

今、他機から機材を取り寄せて、直しているらしい。


きみが、日本で待ってはいないなら。
半日だって、一日だって、構わないのだけど…

心がせいてしまって、仕方ない。

きみにまだ、おめでとうとすら云えてはいないのに――…」




くだんの航空会社の社員らが、チェックインをする乗客たちに、謝罪をして回る。


こういう時。鷹通きみならば、笑って云うのだろう。



『恐らく天の、計らいなのでしょう。

ここで、ひと息つきなさい。ゆっくりしなさいと…』


頭に浮かぶ、きみの声。

きみの柔らかなまなざし。


きみは、この空港には居ないけど。私の中に居て。

そうしていつだって、私をそっと、助けてくれるんだ。




遅れた便の搭乗時間まで、九時間五十分。



『うちに帰ったら、温かいお湯につかってくださいね』。


さっき、電話口でそう云っていた、きみには悪いけど。


湯船のお湯よりも、あたたかなきみにつかって休みたい。



そうして夢でなく、いとしいきみに、直接云いたいよ。



新年おめでとう鷹通。


きみにいつも惜しみない幸せが、注いでいるように。









 
 


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桂子 [HOMEPAGE]