これという本を、家の外で読むのが好きで。
それは、家の中で読むよりも、 完全に没入できるから。
たとえ、周りに多くの人が居て、 それぞれ話をしていても… それらは自分に関わりない音だから、 シャットアウトできる。
ただ、本の世界に浸り切ることができるためだけど。
けれど、本のうち、読み進めていて或る種の作品で。
「あぁ、家で読んだらよかった…」と、悔やまれることがある。
しみじみと泣いてしまうもの。 しばらく泣いていたいもの。
そうした涙に暮れたい作品は、一回読んでおいてから、 記憶が薄れるのを待って、家で、読み直す。
蓮見圭一の新刊短編集は、そういうものだった。
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