白日の独白
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2007年11月12日(月) 人知れず逃走中

鞄の中にもジャケットのポケットにも机の中にも入っていなかった。
ついこの前いらないからとゴミ箱に投げ捨てたばかりだから当たり前。
テレビのボリュームを大きくした。毛布を頭から被って目を瞑った。
今すぐ飛び降りろという声で眼の裏側と頭の芯が酷く痛んだ。
これって禁煙している所為?だとしたら止めるなんて致命的じゃね?
紫煙で数十年後に死ぬのと今すぐ飛び降りるのとどっちが健康的かしら。
でもないものはない。それに今日は外に出るのは嫌だ。
こんなイカレタ格好で死にたくない。ウゼェ自意識に笑えた。
どんなに浅くても皮膚が弱い僕の肌には傷跡が残るからやりたくなかった。
けれど今日はどうにも仕方がないので目立たない程度に腕を切った。
血が出るんだ、痛いに決まっている。誰だよ痛くないとかぬかす奴は!
しかしまぁやれやれ、一先ず息がつけた。
ところで青君。本当は煙草の所為じゃないよね?
はいはい、そうです。無能な自分を呪う気持ちが8割位。
案外あの子に会いに行けなかったことも関係あるんじゃないのかな?
そうだね。僕が毎晩切っていたのは、彼女から逃げ出したくてそうした頃。
昨日逃げ出さなければ、彼女ともう1度友達に戻れたかもしれなかった。
だけど僕は行けなかった。


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