白日の独白
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小学3年生の頃に住んでいた家の近くに『病院』があった。 白い建物だけど所々ペンキが剥げていたり、錆びていたりして、結構古い建物のようだった。 それに普通の病院とは少し違って、窓という窓全部に格子が付いていた。 そこに通っている人も少し変わっていて、時々入口の所で大声を上げていたりした。 おかあさんは『病院』の前を通る時はいつも「可哀想な人が沢山いるのよ」とだけ言っていた。 わたしは金網越しに病院の中を見ようとしたけれど、何も見えなかった。 一体何が『可哀想』なのかわからなかった。
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