子供の頃から何千回となく繰り返された喧嘩だった。「私にちゃんと将来を見せて」と言って母は毎晩泣いていた。父は母の顔を見ることも、声を聞くことも無かった。悪いのは全部僕達の所為にして、父は薄ら笑いを浮かべては逃げていた。それでも終りのくることだってある。やっと始まることだってある。