「隙 間」

2002年02月27日(水) はぁ〜っ・・・

 今日の帰り道、原付バイクを快調に飛ばしつつ近所の坂道を上っていた・・・。
 坂のてっぺんになにやら人影がちらほら、しかも制服姿のその背後には黒と白のツートンカラーのお車が・・・。

(何か事件?検問?・・・免許ちゃんと持ってるし、ヘルメットもしっかりかぶってるから大丈夫だろ)

と、思案しながら近づいてゆくと、

「はい、こっち止まって〜・・・」

 ・・・呼び止められた。なんで?免許を出せってか?

「飲酒運転の取締りで〜す。息はいて下さ〜い」

 なんだか、とってつけたような猫なで声。
 こんなところで取り締まったって、意味無いでしょーが。この辺りに酒飲める場所なんてどー考えたって見当たらない。そんなところでのチェックなんて、つめのアカ程の役にも立たない。

「はい、じゃ、『はぁ〜っ』てはいて下さ〜い」

 なんだか納得いかないが、とりあえず言うとおりにしておこう。
 言っておくが、この5分前まで喫煙していたため、ヤニくさいぞ・・・、覚悟できてるのか???
 と余計な心配をしてあげはしたが・・・。

 ・・・はっきり言おう。
 自分の息を他人に吐きかけるなんて行為は、個人的に失礼な事だと思っている。だから、急に言われても、はいそうですか、とその通りに出来るわけがない。
 
 とりあえず、普通に「はー・・・」と、息をはいた。

「はやく、はいて。ほら・・・」

 顔を近づけてきた。
 今、はいただろ。
 
「何やってんの、ほら、早く早く・・・」

 それ以上近づけるな。おやじの顔なんか、アップで見たくない。

「『はぁぁ〜〜〜』って、はきかけていいから、ほら、ねえ、『はぁぁ〜〜〜っ』て・・・」

 だから、そんなに顔を近づけるなっての・・・。
 くそ、こうなりゃヤケだ。ヤニくさい息をお見舞いしてやる。鼻が曲がってもしらんぞ・・・。

「『はぁーっ』」

 ・・・どうだ!

「はい、結構です。どうぞ」

 たったそれだけのリアクション。
 考えすぎだよね・・・。むこうはそれが仕事なんだものね。

 おやじの顔を暗がりの中でどアップで見て、息を吐きかけてしまった今夜は、なんだか最悪な一日だった気がしてしまった。

・・・追伸。
 変な趣味は無いぞ・・・!


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