★悠悠自適な日記☆
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2005年11月02日(水) |
どっちの公演が観たいですかという話 |
今、私の身の回りには、芝居と舞踊の2つの学園祭公演と、1つの外部舞踊(パフォーマンス)公演があります。ちなみに学園祭公演は学内で行われる無料公演で、もうひとつの外部公演は、京都の劇場で行われる有料公演です。
学園祭企画の舞踊の方に出演している子としゃべった時のことです。私は12月に行われる学内公演の制作を担当しているので、挟み込みのチラシの部数について尋ねたところ、
「今回あんまり宣伝してないし、集客もあんまりないと思うから部数そんなにいらんよ。」
とのお返事がありました。ふーん、そうなんだー。
学園祭企画は2つありますが、そのどちらからも出演者からこのような発言や噂を耳にしてしまいます。
確かに今回のこちらの学園祭企画は準備期間が非常に短く、学内ですら宣伝がほとんどかかっていません。制作の私から見ても、確かにこれは集客苦戦するだろうな…と思ってしまいす。制作としての準備が遅れているのはもちろん、出演者ですら、公演があることを当たり前のように思っているのか、周囲に全然宣伝をかけようとしていません。
もうひとつは外部公演について。こちらは男の裸と汗が飛び散るな熱いパフォーマンスになる模様です。出演者によると、毎日倒れるまで動きまくり、肉体疲労で次の日動けなくなったり、野外パフォーマンスで宣伝活動したり、もうそれはそれはハードな稽古を繰り広げているようです。それなのに、誰も暗い顔をしていないし、あんなことやこんな恥ずかしいこともさせられている(らしいのに)みんなニコニコして「公演観に来てな!!チケット買ってな!」と元気に宣伝しています。あまりにも皆がその公演を崇めるので、ある意味宗教チックな臭いすらプンプンしてきます。(良い意味でね!!)
さて、私が言いたいのはこの学内公演と外部公演、どちらが観たいか?…という話です。
きっと理由は単純なものです。楽しそうで凄いという評判を聞いたら観て見たいと思う。ただそれだけです。「今回の劇団○○は凄いんだよ!」と宣伝されたら行きたいなと思ってしまいます。私はほんとただそれだけです。
学内公演が頑張っていないとは思っていないのです。きっと頑張っている。だったら何故観てもらおうという欲をもっと出せないのでしょうか。「宣伝かかってないから〜」と言うくらいなら、宣伝をかければいいと思うのです。制作業務が遅れていようがいまいが、公演はあるんだから、宣伝なり自分の意気込みなり熱く語ってしまえばいいと思います。
宣伝がかかってないから、お客さんはあまり来ないと勝手に決め付けて、もしくは逆に学園祭だからお客さんは適度に来ると思い込んで自ら宣伝することをやめている、その覚悟のなさが、観る意欲を減退させてしまうのです。
そこには、学校からわずかなり予算をもらっていて、集客がなくても自分に痛手がなという「甘え」があるのかもしれません。
私は、学内の仲間の公演は観に行きますが、他の大学や、全く知らない団体の無料公演はあまり観に行こうという気になりません。「無料」というところに自分たちに痛手はないという覚悟のなさと甘えが見えてしまって、イマイチ観たいと思わないのです。
しかし、そういう意識を払拭してもらいたいのです。逆を考えれば、無料公演なんだから有料公演よりお客さんが呼びやすいはずだし、無料公演の方がお客さんが来て当然だ!!それくらいの気持ちでやってもらいたいなと思うのです。宣伝は制作の仕事だけどみんながすることで一番効果が出る仕事です。
これはただの学内公演批判ではありません。どちらにもそれなりの利点もリスクもあるので、それを知って、それをどう考えていくかだと思うのです。
自分の作品は宝物。自分の出ている公演は宝物。私はそう思います。観てもらってナンボの舞台芸術、それを、お客さんが来なくてもいい、仕方ない。そう諦めてしまえるところが私は信じられません。その前に自分ができることはないのでしょうか。
何気ない言葉の中にそういう部分を垣間見てしまうと本当にその子は舞踊が好きなんかな?芝居が好きなんかな?と疑ってしまいます。自分で自信を持って宣伝がかけられないような舞台なんかやめちゃえ!と、同じ舞台に携わるものとして、そういう部分を見るとがっかりしてしまうのです。
そういえば、私の先輩は、今になっても全員口を揃えて高校生の時に上演した「レコンキスタ」(作・平和堂ミラノ 亡くなりましたが)が一番良かったと言います。あれから8年くらい経っているのに、それでも皆がそう言います。泣いて、苦しんで、それでも皆が感動した作品。そういう評判を聞いて観た芝居のビデオは、私がこれまでに観た芝居の中でもダントツに衝撃を受けた作品だった。高校演劇の自主公演で、舞台美術もなくて、演技とかも稚拙だけど、それでもその舞台から向かってくるものは凄くて、私も「レコンキスタ」をやりたい!って今でも思ってしまいます。そういう作品作りをしたいし、してほしいなと思います。
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