Leonna's Anahori Journal
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父の命日であった。 二、三日前から、そのことを考えるとつらくて、四年前のあの日のことは思い出さないようにしていた。 しかし、つらいと同時に一方で「まともになった。これでいいのだ」という安堵感もあるのだ。これまでは普通に悲しむことすらできないような状況が長く続いていたので、やっと柔らかいこころを取り戻したのだと思うと、これはもう嬉しくすらある。
駅裏の、いつもは通らない道を通ったら、店じまいをしかけている小さな花屋さんがあって、そこで仏壇へあげる花を買った。何しろ小さくて、ちっともお洒落じゃなくて、少々不思議な店だったけれど適正価格(安い)だった。頭にバンダナを巻いたお姉さんに「あ、花が痛むから私が取ります」と叱られたりしながら蓮にも薔薇にも見える変わったダリアを選び、でも、叱られたわりにはたくさんおまけしてもらって、店をあとにした。 店も変わっていたけど、あのお姉さんも今どきめずらしい、変わった感じのひとだった。またお花を買いに行こう。
何も特別なことはないけれど、普通に、良い命日だったと思う。 何が良いって、こころの在りようが、柔らかくて平静だった。 妹に電話をかけて久しぶりに声を聞いた。
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