Leonna's Anahori Journal
DiaryINDEX|past|will
三連休は家でのんびり過ごした。 土曜日は午前中、インフルエンザの予防接種へ。 朝風呂に入って髪も洗ってから、近所の内科へ出かける。先生は入浴しても大丈夫と言っていたけれど、一応夜はお風呂パスするのだ。大人になってからインフルエンザの予防接種をうけるのは初めてなので、ちょっと緊張。
--
午後、借りてきたDVDを観て過ごす。ゾエ・カサヴェテス監督「ブロークン・イングリッシュ」。メルビル・プポーが出てるやつです。
結婚できないかもしれない症候群で、男運の悪さを嘆きまくる美人の女主人公。かなり神経症的になっていて、酒か薬がなければ眠れないこの女性は、ニューヨークに住むアメリカ人。 かたやムッシュプポーが演じるのは、7歳にして父親から「たった一度の人生を楽しむことさ」と諭されたフランス人。なにやら胡散臭くみえるくらいの軽やかさ(いるね、こういうフランス男)、自然体で生きている。勝ち組になりたい(世間体と戦う)アメリカ人対個人の自由を謳歌するフランス人という、実にわかりやすい構図。
主演の女優さんが、とーっても上手。これじゃあ駄目だと思いながら、ますますドツボにはまって自分で自分を痛めつけてしまうという、ああいうナイーブな演技、どうしてできるのだろう。 さらにさらに、メルビル・プポーの優男っぷりが出色。だってさ、別に自信があるわけでもモテモテでもなんでもないわけ。とにかく自分に正直に、あと、相手の自由を侵さないという、その二つだけは律儀に守って、後ろ髪引かれても泣かずにがんばるよ、だって男の子だもーん、なわけよ。 だから、アメリカ人の彼女が混乱して自分の心を偽ると、怒ってるのか悲しいのかわからない目で黙ってじーっと見つめるのだなぁ、彼女の顔を。
別にこういう芝居自体はありふれたものだと思うけれど、プボーのジーッ(眼差し)はアメリカ人俳優のジーッと違う、全然違う。「ふはー、こういうの久しぶりー」と目尻を下げてくにゃくにゃになるチマリス!ワクチンの効果が出てきたみたいよ(何打たれてきたのさ、病院で)。 メルビル・プポーにはもうしばらく、フランス男特有のチャラさ健気さで、ぜひぜひ頑張っていただきたい。間違っても貫禄たっぷりの大御所風になんか振る舞わないでね。たのむわん!
この映画、他にもジーナ・ローランズ、ピーター・ボグダノビッチ等々がご出演、脇もなかなか豪華です。端役で出ていたもう一人のプポーさん(髭面)は、メルビルの兄弟かも。 タイトルの「ブロークン・イングリッシュ」は、フランス人の話す下手くそな英語(例:ハングリーをアングリーと発音。Hは仏語では発音しない故)という意味なのだろうけれど、しかし、マリアンヌ・フェイスフルにも同名の曲があったよなぁ、と思っていたら。エンドロールにかぶせて、フェイスフルの「ブロークン・イングリッシュ」のカバーが流れてきました。さすが、カサヴェテス一家のお兄ちゃん、エンディングまで手抜かりないのでございました。
|