Leonna's Anahori Journal
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帰り道、東京駅八重洲地下街の金井書店にて古書購入。
「ロートレアモン全集」 イジドール・デュカス(思潮社) 「三島由紀夫 神の影法師」 田中美代子(新潮社) 「ユリシーズの涙」 ロジェ・グルニエ(みすず書房) 「マーティン・ドレスラーの夢」 S・ミルハウザー(白水社uブックス) えー、今回は、初の購入本なぞなぞというのをやってみたいと思います。 問題:今回買った四冊の古書に共通していることはなんでしょう?(答えは文末に)
-- 「ロートレアモン全集」は白い布張り本が白い箱に入っている。1969年刊。全集本とはいえ、全一巻。その内容はほとんどすべてが「マルドロールの歌」で占められている。ちょっとページをめくってみるだけでもわかるのは、これがかなりヤバい、恐ろしい本だということで、この戦慄、ドキドキ感こそがこの本を買った理由。いつか状態の良いときに読みたい(でないと、底なし沼に引きずり込まれるようなことになるだろう)。イジドール・デュカスというのはロートレアモンの本名だそうだ。 田中美代子の本はちょうど一年前、九州の叔母から譲られた「小説の悪魔 鴎外と茉莉」に次ぐ二冊目。著者は三島由紀夫研究の第一人者であり「神の影法師」は新しく出た三島由紀夫全集の月報に連載したものを加筆修正し一冊にまとめたものだそうだ。対象への有り余る愛情を理知に代えてのエクリチュールに期待。 「ユリシーズの涙」は、グルニエの愛犬との日々の回想と、文学に現れてくる犬についての思索を綴ったエセー集。「ユリシーズ〜」というタイトルは「オデュッセイア」で旅から帰った主人公を迎えた老犬アルゴスのエピソードにちなんで。この短いエピソードだけで、涙ぐみそうになって困る。表紙カバーに使われているのは、犬をつれてパリを散歩する男性を写したドアノーの白黒写真という、みすず書房らしいシックな一冊。 「マーティン・ドレスラーの夢」、訳者は柴田元幸。ピューリッツァ賞を受けた文学作品ということではジュンパ・ラヒリの「その名にちなんで」(←最高の小説。大好きでした)と一緒だけれど、できればアカデミックで立派な小説よりも、奇妙な味わいを求めます。ワクワク。
なぞなぞの答え:すべてのタイトルに人名が入っている。(簡単すぎたかにゃ?)
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